ほぼ足りてまだ欲 その先

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他国をけなす

 自分たちは正しい、他国は間違っている、というもののいい方、考え方というものは、一種の麻薬みたいなところがあるのだろう。人付き合いでもそうなんだろうけれど、何か危険を他人に及ぼした時には普通は謝って、なにか償おうとする。しかし、人としての感性に欠陥がある人間は、それに気がつかない。気がつかないどころか他に対して気を巡らす行為は弱者のそれだ、くらいに思っていたりする。そしていわゆる逆ギレというか、居直ることになんの躊躇もない。
 昔から、その類の人間は神経の細やかさに欠ける。それが「男!」だったり「闘うもの!」に必要な感性だと思い込んできた。何が何でもがむしゃらに突っ込んでいく根性がそういう人たちには必要だとも思ってきたのかも知れない。
 だから、他国を悪くいい、自分のやってきたことを振り返らないというのは彼らにとっては自らを鼓舞する上で必要なことなのだろう。
 近頃の書店の平積みを見ると、他国を貶す類の本が大きな面積を占めている。これは売れれば魂でも悪魔に売り渡そうという書店の考えなんだろうし、出版社の考えだろう。そういえばかつて某大手チェーン書店の店員さんが「売れる本が正しい本だ」といったのを想い出す。
 後付けの理由にしろ、他国からの輸入を断られて国力が低下するのがわかっているからと云って、第三国を侵略してその活路を見いだそうとしたのは明らかに間違っていた。