こんな事でもなけりゃ日本橋室町なんてところに出かけることなんてない。日本橋に映画館ができるんだと東宝の関係者から聞いていたことがあったので、これができたら一度は行ってみよう、と思っていたので、今日は最高気温が18℃にもなろうというものだから映画見ついでに出かけてみた。
どうせだったら日本橋で評判のランチでも食べて、それからゆっくりと歩いて行けばいいじゃないかと思ってちょっと早めだったけれど出かけた。
その店というのはつじ井という店でなんでも贅沢丼という海鮮の丼が旨いんだというのをテレビで見ていた。11時から開店だというので、10分くらい前に行ってみた。すると、なんと、なんと、そんな時間に来るようじゃ甘いわい、といわんばかりにずらりとおおよそ20人以上の老若男女が並んでいた。京橋のアジフライの松輪やフレンチのサカキどころの騒ぎじゃない。これには度肝を抜かれてしまって恐れ入ってしまった。
ここがこんなに受けるのであれば三州屋銀座一丁目店の海鮮丼がなぜそのままなのかわからないという気がしないでもないが、要するにテレビが取り上げさえすれば、それでお客がやって来るという実にイージーな世の中の創られ方があるという訳なんだろうか。つまらんじゃないか、といいながらそこへのこのこ出かけていったのはこの自分なんである。
それならしょうがないからそのまま室町の方まで歩いて、今度開店したというCOREDO-2の食い物屋を覗いて見ようということになった。ところがこっちだって、そうそう簡単じゃないのだ。
鰹節のにんべんが開いた「日本橋だし場 はなれ」というのがCOREDO室町に出した出汁の店に引き続いて、「和ダイニング」ってのを出していてこれがもう長蛇の列。ここはいつまで経っても長蛇の列。ここの売りはどうやら「一汁三菜」というもののようだけれど、それだったらどうしてうちの地元にある食堂が毎日提供している三種類の定食はこれほど皆さん行列をしないんだろうかと考えてしまう。そういえば京都で某飲料メーカーが経営する朝飯屋が1,200円もする定食なのに後から後からお客がひきも切らないというのを見た。要するに中身じゃないって、事なんじゃないだろうか。お洒落なお店、そしてそこで優雅に飯を食う「私」ってことなんじゃないか。
じゃ、しょうがないというので「尾張 鶏三和」という店のカウンターにとりついて鶏カツ丼。
そういえば豪州でひとり暮らしをしていたときに駅前のフライド・チキン屋でうっていたチキン・シュニッツェルを買って帰ってちょっとぴりっとしたカツ丼を創ったなぁと懐かしくなった。まさにあれだ。
この店は尾張のコーチンが売り物だけれど、関東にもかなりの数のお店がでている。
さて、そのTOHOシネマズ日本橋だけれどなんと9つもスクリーンがある。全部で1,770席あるというのだけれど、一番大きなところが404、今日入ったSCREEN-5は226席というこぢんまり感。真ん中には「お大尽席(2,500円)がある。
見た映画は何かといったらベン・スティラー監督・主演「The Secret Life of Walter Mitty(邦題:LIFE)」という映画で、なんでこれを見に来たかといったら、先日予告編をみたら様々な景色が映し出されていたので、これは家の小さなテレビ画面で見るよりはこっちだろうと見たかった。それにしてもアイスランドのあの誰ひとり通りかからない荒涼とした景色の中をうねうねと走る道をひとりで走っていたら、そりゃちょっと警戒するだろう。ショーン・ペンみたいな役者だなぁと思ったら、まさにショーン・ペーンがでている。
まさかこの私が百田の特攻映画を見るわけないじゃないか。どんな形に描かれていようと、あの百田の息がかかっているかと思うだけで反吐が出る。日本の映画は本当にどうなっていくのだろうか。いつか来た道をこの業界もまさに歩きつづける。儲かれば何をやっても良いという路線はマスコミだけじゃない。
小伝馬町まで歩いてあとは地下鉄で帰宅。10,385歩。