ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

また本屋

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 図書館へ向かおうかと思って家を出たのだけれど、出た瞬間に心変わりがして、日本橋の本屋に行くことにした。
というのは、先日日本橋に行った時に、やけに焦って、ろくに本を見ずに三冊買っただけで逃げるようにして帰ってきたからである。
 今日も雨が降っているのか、イヤもう降っていないんじゃないかというような、傘を出すべきなのか、いやいやこんなの雨じゃないよと云うべきなのか、わからないまま折りたたみのかさを取り出さずに歩く。
いつもだったら都営地下鉄日本橋の駅を降りたら、エレベーターを乗り継いで地下を歩いて本屋まで行くのだけれど、たまには上を歩かないと街のことがわからなくなってしまうからと、階段をえっちらおっちら上がって昭和通りに出た。
すると、なんとそこに成城石井があるじゃないか。すぐさま寄って買い物をしようかと思ったけれど、これから本屋に行こうというのに惣菜やパンを買うのはどうかと諦めた。何度も何度もこれまで来ているのに、なんでこの成城石井が頭に残っていなかったのだろう。成城石井でものを買おうという気持ちが全くなかったからだろうなぁ。近頃じゃ、珈琲はここのレギュラーが一番旨いと思うけれど、それは値段が違うからに他ならない。MJB Greenの900g入りパックと比べたら二倍の値段だからなぁ。
 信号が青になるのを待っているとおばあちゃんと一緒に5-6歳とおぼしき少女が同じように信号を待っている。
それがまぁ今頃の子だから着ているものも洒落ていて、サマーハットをかぶっていて、デニムのズボンのポケットに両手を突っ込んでやがる。
一丁前のポーズだ。それがおかしくてね、一丁前加減が。
 高島屋昭和通りの間の路地に何軒か仕舞た屋があったんだけれど、それがなくなってビルの工事現場になっている。
どんどんビルになっていってしまって面白くもなんともない。
やんごとない空間がなくなるのはつまらん。

 昨年なくなった坪内祐三の奥さんである佐久間文子が書いた「ツボちゃんの話」が読みたかったのだ。
実はこの本はkindleにもなっていて、試し読みがあって一昨日これを読んでしまったのである。
ここまで来れば、もう今すぐ買って読まないわけにはいかなくなっちまった。
kindleでも良いのだけれど、わたしはタブレットを自分の机に持ってこないので、手にする時間がとても制限されてしまうというのもある。
昔のように、たびたび出かけるようなことであれば、kindleタブレットを持って歩く方が楽だ。なにしろ軽くてたくさん入るからね。
しかし、悩ましいのは、自炊した本はkindleタブレットでは読めない。
だから結局iPadを持ち歩くことになって、これはこれで重い。
昔はそんなことを思わなかったのに、今じゃもう重い。

 坪内祐三はもちろん坪内逍遙の孫だけれど、私は坪内祐三のことは全くほとんど知らない。〔全くほとんど、とはなんてこった)。
私が彼に気がついたのは一体いつだったのか、はっきりわからないが、新潮社の季刊雑誌「考える人」と同じタイトルの本を書いているので気がついた。
雑誌・考える人の編集長だった松家仁之とは早大第一文学部の同期生じゃないかしらん。
学生時代に既にデビューしていた松家が一発で新潮社に入るが、坪内はどこにも受からず、大学を留年して修士にいったらしい。
 当時新聞には死因は心不全とされていたけれど、誰だって最後は心臓が止まっちまうんで、心不全なんだが、本当はなんだったのかわからない。
急逝には違いないらしいが、解剖しても良くわからなかったそうだ。

 2015年以降の文春連載の再掲新書

 平積みされているものを見ているうちに、この本に気がついてしまった。みすず書房の本である上にずっしり重い。これは手にしてはならない範疇の本なんだけれど、「日独の暗号を解き明かした女性たち」という副題に眼が食いついてしまった。どこかでこの本のことはちらっと目にしていたのである。戦中の暗号もので、みすずなんだから面白くないわけはないなぁと云う固定観念が私を誘惑した。あとで、気がついた「本の雑誌」の今月号にもこれが取り上げられているのを発見して胸をなで下ろすのだけれど、私には分不相応な価格だった。

 加藤陽子先生の毎日新聞に掲載されたエッセイ集である。毎日新聞を取っていないので、私にとっては未読のもの。

 日頃は滅多に買うことがない雑誌。ナショナル・ジオグラフィックを探しているところで、ひょいと目に留まったのが、特集の「海外ノンフィクションが面白い!」という赤い活字。得たりやおうと手にした。私のための特集のようじゃないか。

f:id:nsw2072:20210817000342j:plain:w360:left ここまで来たんだからと、ポツポツと当たる雨をものともせず、日本橋を渡って室町へ行く。朝のパンを買ってから、そうだ、ヒレカツをテイクアウトしようかなと、COREDO室町2の地下に入る。
随分来ていない「寿々木」を目指すが見つからない。
なんと、今年の3月に閉店していたのだ!
そうか、そんなに長く私はヒレカツ丼を我慢し続けてきたのか。信じられない思いだった。まさかと・・・。
毎食の写真記録を見ると、どうやら最後に食べたのは今年の2月16日だったようだ。
かつて愛用していた銀座松坂屋の地下にあった「乾山」がなくなって、ここに来ていたのに。
ヒレカツ丼を食べられる店をまた探さなくてはならない。