ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

どうでもいいや

 先日の新幹線の事件では71歳の爺さんが「もうどうでもいいや!」と放火した。これは年齢を超え、国境を越えた世界的な犯罪傾向になりつつある。いや、そんなのは昔から色々あったんだけれど、報じられてこなかっただけだ、という声もあるかもしれないけれど、なにしろ今や事件の規模を拡大する道具がどんどん広がっているんだから、その被害の規模は過去と比べようがない。
 中に入る人をチェックすることによってだけ抑止を考えていてもしょうがない。なにしろ「もう、どうでもいい」と腹をくくってしまった人にとってはそんな「抑止」なんて何の意味もないからだ。サウス・カロライナのアフリカ系の教会を襲った白人の21歳だって人種差別的な意識というよりも、「もうどうだっていいな」感覚の持ち主が弱いものを襲うという形態のものだったといって良いだろう。これは公園の池に泳ぐ鴨をボウガンで射抜く感覚と究極的には同じだろうという気がする。だから彼らにとっては「もうどうでも良い」んだから抑止のしようがない。で、多分彼らの中では池の鴨も、教会のバイブルクラスの人たちも、新幹線の乗客も、秋葉原を歩く人たちも、小学校の児童たちも、区別はなくて同じに写っているだろう。
 じゃ、どうすれば良いんだろうか。少なくとも、スポイルしても構わないという意識を変えなくてはならないということだろう。
 なにしろ国がこういう連中には美味しい目を見させるけれど、こういう連中は知らないよという発信をせずに、おしなべてあなたも、あなたも大丈夫ですよ、という情報発信をしなくてはならない。現状はそんなことをするような社会じゃないけれどね。あんたなんか知らないよ、落ちこぼれたらあんた自分が悪いんだよ、非正規?嫌ならなんで高校の時にちゃんと勉強して頑張んなかったんだよ、自分が悪いんだよ、非正規のまんま?自分で選んできたんだよ、という社会なんだからこれからもこの種の事件は間違いなく続く。
 このわたしだって、いついっかそんな状況に陥るか、油断も隙もない。だぁれも保障してくれるわけじゃないんだから。気がついたら、よろよろの格好をして通り過ぎる人たちにボール紙に書いたメッセージを見せて、小銭を無心しているかもしれない。もう元へは戻れない、と思った時に人はどうするだろうと思う。