ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

三菱マテリアル

 三菱マテリアルが戦時中に強制連行され過酷な労働を強いられたとして中国人元労働者らが日本企業に損害賠償を求めている問題で、三菱マテリアル(旧三菱鉱業)が2014年1月、「戦後70年近くが経つ中、終局的な解決を図りたい」として和解交渉に応じる姿勢を元労働者と遺族側に示していた(朝日新聞2015年8月4日05時00分)

 すでに三菱マテリアルは旧日本軍の捕虜だった米国人に対して強制労働をさせたとして、米ロサンゼルスで7月に元捕虜と遺族らに謝罪したと報じられている。これは画期的な出来事で、戦時中に多くの企業が捕虜を使役に使っていたことは知られているにもかかわらず他のどの企業もこうしたスタンスに立ったことはなくて、まさに日本の大企業が初めて公式に謝罪したことになる。多くの企業では資料が残っていないとか、既に合併等で、まったく過去の企業とは関係がないとして門前払いをしてきた。
 ところが三菱マテリアルはこれに留まらないで、中国人の元労働者ともこのたび和解をするのだという。

 関係者によると、三菱マテリアルは「日本政府が関与しない和解には応じられない」としてきたが、2014年1月、元労働者側との会合で担当役員が「終局的な解決を図りたい」と和解交渉に応じる意向を初めて示した。
 背景には、日本の訴訟で強制連行の事実が認定されていたことを踏まえ、十数人まで減った元労働者本人が生きているうちに決着をつけ、海外ビジネスへの影響を食いとめるべきだとの声が社内でも強まっていたことなどがあった模様だ。(朝日新聞2015年8月4日05時00分)

 あの傲慢で知られる三菱系企業の中で、なんで三菱マテリアルが突出してこのような行動に出てきたのかはとても興味深いところだけれど、もう今からなら対象はとても限られた人数になるという判断は非常に姑息で如何にも日本の企業が考えそうな話だといわざるをえない。それにしても他の大企業はこの件に関して揃いも揃って口をつぐんでいるのだから、この際三マテを取りあえず素直に評価しても良いのではないかと思う。
 私が働いていた企業では、かつて働かされたカナダ人捕虜が、当時お世話になった人に一目でも逢いたいとやってきたのにもかかわらず、何もわからないといって門前払いした過去を持つ。多分今の役員連中は何も知らないだろう。そしてなんの関心もないに違いない。