ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

散歩 10,237歩

 もう二日も家から出なかったので、散歩。家から一番遠い稲荷町から地下鉄に乗って京橋で降りる。本当は銀座で降りるつもりだったのだけれど、トイレに寄りたくなったから、直ぐさま行けるトイレが改札の外にある京橋で降りた。そしてここから歩いた方が歩く上では良いだろうと思ったから。
 京橋から外堀通りと中央通りの間を意識して歩く。餃子の天龍が店を少し移動するという掲示が出ている。建て直すのか?
 数寄屋橋の交差点に来る。角の元の東芝ビル、今度は東急プラザという名前になるらしいけれど、東急不動産のビルのその異様な佇まいの角に3月末に開店だという告知が出ている。これができたらまたテレビがなんだかんだとヨイショの番組を作るんだろう。
 その裏の数寄屋橋公園も何だか知らないが随分時間をかけて作り直している。あれなんて、ついこの前に綺麗にしたばかりだという気がするんだけれど、完成予定が3月末だと書いてあるところを見ると、この東急のビルとデザインを合わせようとしているんだろうか。そうするとかの岡本太郎太陽の塔のような時計塔があわなくなっちゃうんじゃないかと思ったら、どうもあの塔が奥へ追いやられていそうだ。
 昼のこんな時間になんでこんなところへ入って来たのかというと、先日、某氏が泰明小学校前の路地の中で大がかりなビルの解体があったと書いているからだ。なにしろ、35-6年前からこの路地をあたかも根城のようにして飲んだくれていたのだから、そりゃ一大事ってなものなのだ。
 今、この路地にはビル建築中のカ所がひとつあって、そこもかつては古いビルが建っていた。なぜか九州の小料理屋なんぞがあって、「おきゅーと」なんていう言葉が踊っていたことを覚えている。そりゃ一体何だと思っていたら、九州出身のお偉い方にごちそうになったことがあった。


 で、かつて何軒もの小さな店が乱雑に軒を連ねていた一角がまるで大なたで分断したかのように解体されていた。別段、理不尽にそうしたんじゃないんだろうけれど、どうやらかつて良くあったように隣の壁をそのまま使って建てた建物だったのではないかと思うような解体のされ方だった。これは思わず声を出してしまいそうで、バチャバチャと写真にしていたら、なんの客引きをしていたんだかわからないお姉さんに笑われた。
 最近建ったはずの建物が、わざわざそうしてあるのかのように古めかしく見えたり、古い古い建物が赤裸々にお陽様に照らされる結果となって、本当に醜態をさらしていたりする。ごみごみとした、良くこんなところにこんなスペースがあったもんだというような、一角が、闇に紛れて酒場になっている、というのがとても良かった。小綺麗なすっきりしたところでは、どうも落ち着かない。
 で、7丁目に出るところでビルの2階に「そば処 よし田」の表示を発見。で、二階を見てみると、これはあのコロッケ蕎麦の「よし田」じゃないか!なんでこんなところにそのよし田が店を出しているんだろう?変だな?と思ったら、あのよし田はなんとあの店をたたんでここに移ったということのようだ。大きな金が必要になったのか、あるいはあそこが借地だったとかそんな話だろうか。そういえばそれ位もうずっとあの店に入ったことがないものなぁ。
 松坂屋の工事がだいぶん立ち上がってきたのを確認して、コアビルの地下にある臼家の横まで降りていく。ここにうどん屋があったのは松坂屋の地下に繋がっていた頃に気がついていたのだけれど、これが讃岐饂飩の臼家だったとは知らなかった。しかし、牛蒡天麩羅饂飩で1,000円以上するのに恐れおののいて、飛び立つようにして地上にあがり、日本橋のよもだそばを目指すことにした。
 いつものように教文館に行って週刊金曜日を入手。そのまま日本橋に向かって歩く。この時もう既に午後2時を回っている。途中でネルソンズを発見。あぁ、ここだったのか。モントリオールの鞄屋が健在なのも確認。売れてんのかねぇ。三州屋の一丁目店の前を通りかかると、まだ暖簾が出ている。こんな時間なのに、やってんだろうか。今までだったらこんな時間にはもうお店の人たちのまかない昼食の時間になっていたんじゃないかなぁと思いながら、もう今日はよもだそばに決めたんだから浮気はしないぞっと歩く。
 途中で東京駅の通りを横切ったときに、ちらっと泰興楼が見えて、あ、あそこに入ったことがないなぁ、あそこへ行くンだったら何を食べろだったかなぁ、忘れちゃったなぁと逡巡している間にどんどん日本橋に近づいた。
 よもだそばに到着してみるとこんな時間なのに、結構人がいて、自販機で並んでいる。何事ならん!もちろん牛蒡天麩羅饂飩。370円。ここの饂飩は平打ち麺で、私はこのゴボウ天饂飩しきゃ食べたことがない。よもだそばは銀座にもあるのだけれど、そっちはかなり混んでいる。こんな立ち食い蕎麦屋なのに、なんでカレーが売り何だかよくわからない。ここのおばさんの仕切りはかなりしっかりしていて、大声で注文を確認するから安心できる。八丁目のかめやは爺さんがなんだかわかってんのかわかってないのかわからないからそれが気に入らない。往々にしてこの種のお店は女の人がしっかりやっているのが良い。京橋のそばよしも女性が仕切っているけれど、ほとんど中国の人だってのが特徴か。やめようやめようと思いながら汁まで飲み干した。丸善で新書を一冊仕入れて、日本橋から地下鉄で帰宅。

週刊金曜日 2016年 1/29 号 [雑誌]

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昭和史の深層 15の争点から読み解く (平凡社新書)

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