経営者の兄弟と知り合いの天ぷら屋から牛蒡の天ぷらを買ってきて饂飩に載せて卵でとじた。
ごぼう天の卵とじ饂飩は好物で、日本橋や銀座、御徒町に店を出している「よもだそば」でも良く食べた。今は殆ど外食をしないので、食べないけれど。
ところが饂飩を食べ始めたら、牛蒡がなんだかおかしい。ガリっと噛んだら苦い。もうひとくち食べたらもうほとんど木片を食べているみたいで慌てて口から放り出した。残りの牛蒡を取り出して、ほとんど天ぷらの衣饂飩で昼飯を終えた。ただし、実は私はこれが好きだ。
どうしようかなぁと思った。知らない店だったらひでぇもんを売りやがって、といって終わったかもしれないけれど、何しろ兄弟の顔が目に浮かんだものだから、弟にメールを出した。彼は慌てて新しいものを持ってお詫びに行くと返事をよこしたけれど、それには及ばない気をつけてね、と返事した。
食べ物商売は難しいなぁ。マメに材料を自分の手で吟味していないとなにが起きるかわからない。人を使うことの難しさはここにある。仕入れから下拵えから自分の手でやっていればまだしも、つい見逃してしまうことが起こりうる。これはなんの商売でもそうだ。
ダイハツの不正なんかはどう考えても会社が認識している不正で、これとは全然物事の始まりが異なるが、ここまで全社的な不正ではなくても、つまり、悪意がなくても、見過ごしてしまった過ちは同じような印象結果を消費者に及ぼしてしまう。
彼らの店が大きな失敗をしでかすことがないようにという気持ちでメールをした。これからも応援するつもりだ。