昨日、珍しく東京12チャンネル、あ、今はテレビ東京っていうんだけれど、の「アド街っく天国」って番組を見た。「なんとか散歩」じゃないけれど、地元のお店が出てくる番組はすぐ手に取れるガイド番組として手頃なんだろう。昨日の舞台は京橋で、今はもう大きなビルばっかりになってしまった界隈。銀座からひと駅歩くと、あまりにも近いので、もうひと駅日本橋まで歩いて丸善に入ってしまうという、あの狭い地域。日本橋、京橋、新橋の三つの橋には幕府直轄の橋の印に擬宝珠がついていたんだといって、この地域内が本当の江戸期でいう「下町」だったんだという。それを、取り上げられたこの地域のおっさん連中が「これがステイタスなんだよ」といって終わる番組だった。
それまでは、あの京橋もビルばっかりになっちまって、地に足のついた街じゃなくなっちまったよなぁと思って同情心で見ていたのだけれど、この言葉を聞いたとたんにものすごくむかついた。
何をいってんだよ、街まるごと大手開発業者に売り渡しちまったくせして、何がステイタスだ、と。たまたま偶然その地に生まれたってだけで、それで選民主義的な思想を抱える権利なんて誰にもねぇぞ、もともとほとんど埋め立て地みたいなところに、細々と暮らしていたってだけじゃねぇかと腹が立った。
私のように、転勤族の親の元に育って、あちこち見て歩き、仕事についても、国境を越えて出かけていたものにとっては自分が住んだところ、自分が仕事をしたところが故郷で、とぉ〜んと選民主義からはほど遠く、むしろ選民主義を軽蔑したいところだね。いつまでもそこにしがみついていなさい、といってやりたい。