ほぼ足りてまだ欲 その先

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横並び

 まあ、日本の社会は何かというと横並びが好きで、目立っちゃいけないし、突出するのはダメという感性が地道な賢い社会の過ごし方なんだという説が定着している。その確たるものはマスコミではないかという気がする。
 中でもラジオは非常に典型的で、日本のラジオにはFM風、AM風の二種類しかない。FM風はバイリンガル風な喋りでナウい音楽をかけるもので、AM風はおじさん喋り、あるいは夜中の吉本系に近い芸人の喋り、もしくは48系の子どものキャアキャアしかない。
 例えばクラッシックの音楽が十分楽しめるとか、スウィングジャズを徹底的にとか、邦楽しか掛からない、といった放送局は見当たらない。
 それがテレビになると、フジ、日本テレビが新聞そのものと歩調を合わせて自民党広報放送局となっているのは明確だけれど、じゃ、その他のテレビがその道から脱却しているのかと云ったら、実はそうではなくて、ほとんどそれを実現しているのはTBSの「報道特集」しかないというていたらく。
 新聞にいたっては今や自民党広報新聞から脱却しているのは東京新聞と沖縄二紙以外にはほとんど見当たらない。
 今ここで云いたいのはラジオをどうにかしろってことなのである。魅力的な番組がほとんど見当たらない。わずかにNHK-BSの「邦楽の時間」FM東京の午前4時から6時の「Symphonia」くらいだ。困った現実なのだ。頼むからNHKの「ラジオ深夜便」でハードロックをかけるのはやめてくれ。それで万民に受ける番組にしているつもりなのかもしれないけれど、そんなのそんな時間に誰も聞きたくねぇよ。
 聴取者がそうなんだからそうしてんだよ、というんだろうね。個性のある、ま、自民党が好きな表現を使ったら「偏っている」「偏向している」放送局が様々に存在しうるのかと云ったら、多分潰れちゃうんだろうね。TBSがやっていたOTTAVAというクラッシック専門のネットラジオはダメになっちゃったものね。今はほとんど某レコード会社のお抱え放送局になっちゃったみたいだし。
 有料衛星放送局のMusic Birdの聴取者というのはどれほど伸びているんだろうか。音楽ジャンルを選んで高音質で楽しめるというのだけれど、今やYouTubeに比べてどれほど優位なのか、非常に疑問だと云える。
 アメリカのFM業界のように小さな経費の掛かっていない放送局とはいえ、あれだけ特化してやっていける理由は一体何なんだろうか。それがどうしてこの国では成立しないのだろうか。