ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

 昨日、ようやくちょっと足を伸ばす気になってきたので、本屋に足を運びました。うちの近所の本屋は1.5流の大手チェーンなんですが、主に雑誌と漫画と江戸、そしてこの界隈に関わる出版物程度のものしか扱っていません。ずっと以前に太田出版という会社が出している季刊雑誌のことを聞いたら、「ここには回ってきません」というお答えを戴いたことがあって、それ以来ほとんど足を向けていません。この雑誌はどうかなぁと思ったのが渋谷陽一の「SIGHT」です。しかし、これはいまや季刊でもなくて、不定期刊。「ロッキングオン」の増刊号ということになっています。それにしても不定期刊ってのは凄いよね。見張ってないと、出たのがわからない。これって、実際何部くらい読まれてんですかねぇ。
 渋谷陽一はラジオではロック評論家をやっていますが、今や筋金入りのリベラリストで、ずっと原発反対、戦争反対を訴え続けています。ま、もっともかつてのロックンローラーはいつの時代でも(そんなに歴史はないが)反体制だからこそロックンローラーだったわけです。日本の代表格は忌野清志郎でしょうね、内田なんとかではなくて。
 だから、このチェーン店本屋にはないかもしれないなぁと思いながらも赴きました。いや、それだったら銀座まで足を伸ばして、いつもの教文館にいけば良いじゃん、ということになるのですが、その「足を伸ばす」ことにまだ不安があるのと、どうせだったら岩波書店の月刊「世界」がでてからにしようと思ったのもあります。
 ところが驚いたことに、(多分書店側がわかっていないのかも)この「SIGHT」が一冊だけ刺さっていました。

 ペシャワール会中村哲憲法学者・木村草太、田中秀征、西田亮介、伊藤真小野善康、山崎雅弘とインタビューで、総力特集「70年間戦争しなかった日本にYESと言いたい」である。あ、いやいや、もう一人、世田谷区長の保坂展人だ。巻頭の写真がマッカーサーのお抱えカメラマンだった(昭和天皇とのツーショットを撮った)Gaetano Faillacer(変わった名前ですねぇ、イタリア系かしらん)が撮った戦後の日本の風景で、興味津々。中村哲のインタビューはどうぞ様々な方に読んでもらいたい。日本が如何に普通の、その辺のどうしようもない国の仲間入りをしつつあるのかということがよくわかります。
 ここでシンクロしてきちゃって驚いたんですが、Amazonに注文していた本の中の一冊が届きました。(ばらばらと送られてくるのはちょっと面倒ですよねぇ。) 
 そんなところにこれが届いたんです。これなんか、くだんの本屋に置いてあるわけがない。元社会党衆議院議員だった保坂展人です。彼を国政選挙で失ったのは社会党にとっては返す返すも残念でした。彼は今、世田谷区長二期目です。私は世田谷区というのはもっと保守的なのかと思っていたら、彼がもう二期目で、しかも自公推薦候補に大差をつけて選ばれたのには驚いていました。だから、これを読んでみたいと思っていたのです。そうしたら、巻頭に彼が「SIGHT」の63号に書いたけれど、といっています。あれ!あの雑誌のことを知っている奴がそれほどいるのかよ、と思ったら、この本、なんと「ロッキングオン」の出版物だった、という落ちです。
 私は今まで政治屋の自伝的本というのに手を伸ばさなかったのに、ここのところ、石井一といい、保坂展人といい、ちょっとへンですが、眉に唾をつけながらです。保坂展人はともかく、石井一はね。