ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

お鰻で

 明日は土用の丑の日ですが、日曜日でございましょう?多くのお店は通常お休みだったりするわけですよ。ところが私たちは運の良いことにこのあたりでその鰻屋で落語会があって、おおむね毎年この時期にいただくことができます。
 今年の演目は前座の小駒くんが「鮑のし」で師匠の噺は「居残り佐平次」でございました。居残りといえばどうしたって志ん朝を思い起こしてしまうんですねぇ。今からまた聞くかい?といわれたら、聴いても良いんだけれど、どこか旅に出たときにじっくり聞きたいなぁというくらいで、わざわざ椅子に座って時間作ってという気にはなりませんから、こういう時に遭遇するのは嬉しうございますなぁ。
 何しろ私たちは廓の風習なんてものを知りませんから、私の廓についての知識はもうすべて落語から仕入れたネタでございます。廓で働いている若い衆を伎夫(ぎう)といってそれを縮めてぎゅうといったりしてこれを「牛太郎」と呼んだりするというのは知っております。しかし、改めて聴いていて、「下足札をまいたり羽目を叩いてチューチュー鼠鳴き」なんてところに引っかかってしまいました。廓が夕刻にかけて今日一番の商売の始まりだってところの儀式の一つです。下足のひもがついた札を束ねてうわっと拡げて見せたり、口先からチューチューと人を呼ぶような音を出したてぇますが、それがどこからなんの為に始まった風習なんですかねぇ。
 ま、それにしても落語は嬉しいねぇ。最近は馬生師匠を見ていて、その表情の豊かさに感動するんでございますねぇ。もちろん物知りな方で、いちいち噺が勉強になりますが、ふとその表情が素晴らしいなぁと思います。その自然なフリがねぇ。
 今日は落語会の後、しばらくどっぷりとした湿気たっぷりの中、汗をかきかき、歩いて木挽町から京橋まで行きまして、オープンカフェでお酒をいただきました。いや、湿気が重い。うちに帰ってきたら二つのハンドタオルがべたべたでございました。
8,100歩