ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

地中

 豪州に滞在していた頃、一度だけ地下の炭鉱に潜ったことがある。多くの人が小中学校の頃に習ったことがそのままになっていて、露天掘りで石炭を掘り出しているんだとばかり思っているわけですが、そんなに簡単に掘り出せる石炭鉱山は非常に限られてきてしまっています。地中に石炭層を求めて潜っているわけですが、Long Wallという堀る方法は想像を遙かに超えたものでした。
 炭層が見つかったらその範囲を囲むように長方形にまず掘ります。そしてその内側を幅20mほどで横に掘る機械ををスライドさせて掘りながら前に進みます。空間になった部分はその掘る機械が通り過ぎたら自然に落盤していきます。そんなことで、地上に影響はないのか?と思うわけですが、数十mも下が高さ2m程度落ちたくらいではなんの影響も出ない、といったら極端ですが、ほぼなんにも起きないのが不思議です。
 その地下に8時間作業で三交代しています。つまり従業員は労働時間中はずっと地下にいるわけです。弁当も地下で食います。出てきたらシャワーを浴びたくなります。呼吸器系に影響ありそうです。だからペイも良いんだそうですが。
 豪州の炭鉱労働者の組合ってのはかつては驚くほど強くて、「支援スト」というものが認められていましたから、隣の炭鉱の労働組合が労使交渉ですったもんだすると、こっちの炭鉱の労働組合までストに突入したりしていました。それが解決したと思ったら、機械が故障したりして、なかなか石炭が地上に山積みにならなかったりして、面倒なことも良く起こっていましたねぇ。