ほぼ足りてまだ欲 その先

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二度目の受験

 京都大経済学部の卒業式で62歳の男性が総代となったそうだ。千葉の銀行員だった時から受験勉強を始め、58歳で入学して4年間勉学に励んだそうだ。今後は進学して大学院で研究するそうだ。

 歳をとってから大学に学び直そうとする人たちはとてもたくさんいる。しかし、社会人経験者に対する募集枠を持ってそれなりの入学試験を行う私立大学は随分増えている。しかし、どうやら京都大学にはその制度はなかったようだ。わが母校にもそれを持っている学部とそうでない学部がある。

 50代になってから医学部を目指したある女性は某大学の医学部に打診をしたら、年齢制限に引っかかるとして受験を断られたという話を聞いたことがある。6年かけて学部を卒業してから、インターンを経て実際に独り立ちした医師になるのにかかる時間を考えると引き受けられないということだったようだ。

 一般の高校新卒者、あるいは浪人生と一緒にその科目全てを受験させることに、何の意味があるのか、非常に疑問がある。彼は銀行員の傍ら受験勉強をやってきたそうだけれど、その時間がとても勿体なく思えて仕方がない。彼が高卒だったのだとしたら話は別かも知れないが、もし彼が大卒だったとしたら、それは勿体ないといっても良い。
 そんな時間をスキップさせて、本当の勉学心に応えるシステムとしておくべきだと私は思う。

 「この年になっても、何かが分かるということが楽しい」。旺盛な知識欲が原動力だ。

 と新聞記事は書いていて、旺盛な知識欲を持っている、持っていることに気がついた人たちを満足させるシステムができると、文化国家としてそれはそれはふさわしい。

さて、この国は文化国家だろうか。