ほぼ足りてまだ欲 その先

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二代目江戸家小猫


江戸家小猫 二代目 物真似 演芸 №Ⅱ

 彼はこの度国立演芸場主催の平成三十年度「花形演芸大賞」を受賞した。彼の芸はもう本当に面白い。彼の研究心は驚くほどで、各地にある動物園の飼育係の人たちと不断の関係をとって、様々なエピソードを手にしている。そして、各地の動物園でイベントに呼んで貰っている。
 彼のお父さんは四代目の江戸家猫八。あの「お笑い三人組」に出演していたのが三代目。彼のお爺さんにあたる。私たちの世代は「猫八」といったら一竜斎貞鳳三遊亭小金馬と一緒の猫八だ。あの人は早くして奥さんを亡くしたので、若い奥さんと再婚をした。だから四代目の猫八と江戸家まねき猫は共に三代目の子どもだけれど、おかあさんが違っている。
 三代目が2001年に80歳で他界したから、すぐにでも四代目が襲名するのかと思っていたけれど、全然そんな話を聞かなかった。ところが2009年に襲名の話が出た。その時今の小猫が立教大学院の21世紀デザイン研究科に在籍していた。その研究科の某先生を私の後輩から介して紹介されて、お話を聞いてみると、襲名を応援して欲しいと各地に呼びかけていたらしい。それで、私の後輩が主催しているイベントに四代目をお呼びして皆さんにご紹介した記憶がある。
 小猫は10代の時にネフローゼを病んで長い長い闘病生活を送った。今、彼の高座を見ているととてもそんな風には見えない。どんどん繰り出してくる彼の引き出しからの「これでもか、これでもか」攻撃にはもうとてもかなわない。みんな完璧なままにやられてしまい、そのほとんどの人たちが彼のファンになってしまう。彼の高座には「無駄」というものがない。完璧なまでに「無駄」がない。この年齢でもう既に完成の域に達してきてしまっている。
 四代目は10年前に襲名をしたのだけれど、2016年に癌で急逝した。あれからもう3年経った。私は小猫がそろそろ五代目を継いでも良いような気がしている。