三遊亭金翁が亡くなったそうだ。93歳だったという。
今は息子が金馬を襲名しているけれど、この人はお笑い三人組で売り出した。
当時は小金馬といっていた。
真打昇進は1958年というから、私は小学校高学年。
師匠は3代目の金馬。
つるっぱげで出っ歯、誠に印象深い噺家だった。
三代目を知ったのはラジオだ。彼は実に良くラジオに登場した。
うちにやってきたSONYの録音機でずいぶんとオープンリールに彼の噺を録音した。
一方、四代目は一龍斎貞鳳、江戸屋猫八と共にNHKの「お笑い三人組」であのダミ声でレギュラーだった。
私の記憶では「お笑い三人組」は最初からテレビではなくて、始まりはラジオだった。
その公開録音だったのか、それとも単なるイベントだったのか、反町公園の体育館に彼らを見に行った記憶がある。
貞鳳と音羽美子、猫八と楠トシエ、小金馬と桜京美という組み合わせだった。
なにしろ三代目が重鎮だっただけに、小金馬が四代目を襲名した時は、ずいぶんスケールが小さくなっちまったもんだと思ったもんだけれど、彼はテレビの世界に溺れることなく、良く自分の時代を作ったものだという気がする。
これで三人組は全員他界してしまったのだけれど、コマソンの女王、楠トシエは94歳で健在のはずだ。まだ市ヶ谷に暮らしているかどうかは知らない。