昔から宿題は最後までやらず、最終場面で泣きながらその場しのぎでやっつけてきた。仕事もそうだった。今回もそうだ。今回というのはなにかというと、カンツォーネといっているボイス・トレーニングのおさらい会だ。最後の最後まで歌詞を覚えていない。
どうやらその場を凌ぐことはできたようだ。しかし、凄い人がいるもので、みんなの認識を遙かに超え、ピアノの方に楽譜を示し、突然、ソロで唄う。周辺を出し抜いて勝手に唄うというのは些か乱暴に過ぎる。それでも誰も本人には文句を言わない。私もいわない。黙って下を向いている。それであの人は憂さが晴れたんだろう。
古希過ぎて なお憂さ晴らす 人模様