ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

図書館

 一年間だけだけれど、三鷹市にある学生数の少ない大学に通ったことがある。この学校の図書館は全図書が開架になっていた。学生は誰もが、全ての図書を手に取ってみることができる。図書だけではなくて、新聞雑誌の類いも、全て、実物が保存してあるので手にとって頁をめくることができた。これは、実は素晴らしいことで、多くの大学ではこうはなっていない。なぜかというと、それだけのスペースを構築することができないので、機械式の書棚になっていたりして、誰もが入れる様にすると混乱を招き、事故が起きかねないからだ。それは近所の区設民営の図書館でも同様でOPACで見つけて「書庫」と書かれていればそれを職員に出して貰わなくてはならない。
 それでなにが困るのかというと、自分でキーワードを決めて検索しても、引っかかってこない文献があり得ると云うことだ。日本の図書館の棚は共通の整理システムで成り立っているので、同じような番号のところを書棚で見つけると、その周辺に、思いも書けない文献を見つけることがある。これがとても重要で、その点では全ての資料が開架になっているというのは、利用者のためにとっては何物にも代えがたい利点がある。
 こういう状況になって、書棚に接することができなくなると、いよいよ文献に接するチャンスが失われていく。
 特に雑誌はその記事を見つけることの難しさがある。都立図書館の広尾では記事をキーワードで検索することができるので、良く訪問した。国会図書館は非常に使い勝手が良いのに、杓子定規でやりにくかった。今はデジタル化されてきているので、巧く使うと面白い資料も転がり出てくる。しかし、今度はこっちがついていけなくなりつつある。
 図書館はその国の、そして教育のバロメーターとなる。