ほぼ足りてまだ欲 その先

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岩波映画

 NHKが羽仁進の番組を放送した。「ETV(どうして半角じゃないの?)特集▽映画監督 羽仁進の世界~すべては“教室の子供たち”からはじまった~」で、なんと羽仁進は現在91歳で健在。「毎日が楽しい」という。
 岩波映画製作所が1998年に倒産し、その後膨大な資料は保管場所がなく、各地を転々とし、この度コロンビア大学に保存されることになったと聞いて、驚いた。「素晴らしい日本」には岩波映画の資料を保管することすらできないのかと。甚だ情けない。
 羽仁進といったら、父親は羽仁五郎で、左幸子と結婚したのに、その妹喜美子と再婚し、アフリカの映画に熱中する。羽仁進が共同通信から岩波映画に来て担当したものが岩波写真文庫だと聞いて、あっと驚いた。一時期、この一連の写真集が再刊されて、とても楽しく昔を懐かしんだのだけれど、あれはそういう作られ方をしたのかと。

 羽仁進の初期の作品に「教室の子供たち」という映画がある(第6回ブルーリボン賞教育文化映画賞受賞)。番組の中ではこの教室の子供たちが66年後に集まって羽仁進と一緒に映画をもう一度見るという場面がある。つまり、撮影が66年前の1954年であり、彼等は当時二年生だったというから、多分私よりも一学年上の世代かと思われる。モノクロ28分ちょっとの映画で、非常に懐かしい風景が映し出されている。

"Children in the Classroom" Susumu Hani 1955

 翌年にはやっぱり文部省がつくった「絵を描く子どもたち(1956年、岩波映画)」がある。


Children Who Draw (1956) Susumu Hani