拉致被害者の蓮池薫の兄、蓮池透が書いた「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」を読んで、彼の率直な反省と詳細にわたる拉致被害者と周りの状況を知ることになった。若干時系列に書かれていない分、あっちへいったりこっちへいったりする嫌いはあるけれど、拉致被害者の会が置かれた状況、閉塞感にかられる現状、政治家、官僚が如何に通り過ぎる存在に過ぎないのかという点が実に良くわかる。
そして「自分たちだけが」という思いに駆られいつまでもフリーハンドになり得ない帰ってきた被害者の方々のことを思うと、ただブルーリボンバッジをつけていれば良いってことではないことが改めてわかった。
今月の岩波書店・月刊世界6月号に蓮池透と辛淑玉の対談が掲載されていて、在日韓国・朝鮮人の人たちのおかれた現状と、拉致被害者の人たちのおかれた現状を語り、私たちが如何に顧みていないのかということを思い知らされることになった。この二人の対談は長時間に及んだそうで、近々岩波書店から単行本になって出版される予定だそうだ。
- 作者: 蓮池透
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2015/12/18
- メディア: 単行本
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- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2016/05/07
- メディア: 雑誌
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