ほぼ足りてまだ欲 その先

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肌寒く

祖父・小金井良精の記

祖父・小金井良精の記

 地元の図書館のOPACで見つけ借り出す。図書館は開いてはいるものの、指を消毒し、入館記録カードを書かなくてはならず、その上在館時間を一時間と区切られている。従って日頃から行く先のない人たちで結構賑わっている図書館も、すっかりひっそりしている。
 1974年2月の初版。星新一の母方の祖父である小金井良精について書かれた大作。二段組みにして450頁にならんとす。これ以降、新潮社が出版したこともあり、河出書房新社からは文庫本(上・下)で出たことがある。今ではこの文庫本がkindleにもなっている。
 従い、期間中に読み終わるとは思えず、というのは一緒に借り出したものが、これまた二段組みにして、680頁となる大作だからである。

 既知の如く、星新一の父親は星製薬の創業者であるがこの祖父は安政五年,1858年、安政の大獄の年の生まれである。彼の登場までに30頁を要する。星新一の探究心はとどまるところを知らず。それにしても、時の各お家は養子で持っていたようで、あっちでもこっちでも養子を迎えることでお家をつないできたのがわかる。実はこの小金井良精の後妻は森鴎外の妹、喜美子であり、従って、この本もそっち方面からアクセスする人がいるらしい。
 ところで森鴎外といえば、「舞姫」という作品があって、ベルリンで現地の女性と恋仲になり、そのまま帰国するが、その女性が後を追いかけて来日したといわれている。なんだか、野口雨情の話に似ていて、日本男子は卑怯者だったのかという気になる。

 
 二度目の借り出しである。この本が出版されたばかりの頃は、予約者が列をなしていて、連続して借り出すことがかなわなかったのであるが、今では、誰ひとりとして予約をしている人がいない。さすがに例のピーナッツ全集の連続出版が終わって、日本人のその場騒ぎが通り過ぎたものと見える。

 ここの図書館には株式会社デンネツの「デンネツ殺菌ブッククリーンCOCOCHI(ここち)」が設置されているけれど、「新型コロナウィルスには必ずしも有効ではない」と書かれていて、しっかりと責任逃れはされている。紫外線ランプである。