ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

吉村昭


吉村昭の名前を聞いたことがない人は少ないと思う。彼の著作の中に「関東大震災」というそのものズバリの著作がある。彼は多作である。いつか読破してみたいと思ってきたけれど、全然手がついていない。
その「関東大震災」にこんな著述があった。

日本が統治するようになってからもっとも困窮したのは、朝鮮の農民たちであった。併合前、土地の大部分は、宮廷関係者・官僚たちが所有し、農民は土地の耕作権を持っていたが、土地所有権の調査を行った統監府は、皇帝の所有地を没収し、貴族、官僚に土地の所有権を認め、一般農民を零細の小作農に転落させてしまった。
 当然農民の不満はつのり、その結果初代統監伊藤博文が、朝鮮を日本の属領とした中心人物として恨みを買い朝鮮人安重根によって暗殺された。 
 その後、朝鮮では小作農がますます零細化し、第一次大戦以後貧窮にたえかねた農民が日本内地へ流入してくるようになっていた。が、それを迎え入れた日本人雇用者は、彼等の優れた労働力を認めながらも冷遇することに終始していた。

 この土地所有、耕作権の有無は、これまで私は全く知らずに来た。なんで朝鮮半島から日本へ労働者が流入してきたのか、不思議だった。では、なぜ日本の統監は土地をその様な所有形態にしたのか、という点だ。これはどこかでわかるんだろうか。