ほぼ足りてまだ欲 その先

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町山智浩にまた教わった


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木曜日の夜にBS朝日で放送される「町山智浩アメリカの今を知るTV In Association With CNN」には毎回勉強させられるとずーっと書いてきているが、今週もまた驚く話を知った。

マサチューセッツ州のボストンは米国でも古い街で、歴史の教科書にも必ず登場する。
日本人には「ボストン・ティー・パーティー」でも知られているし、松坂大輔上原浩治が活躍した野球のRed Soxで誰もが知っている。

ところがボストン・シティーのメイヤー、つまり市長が今年の選挙で、なんと台湾系の女性が当選したというのだ。
とても驚いた。

そして今まで、アイルランド移民のルーツを持つ労働者階級出身のマーティン・ウォルシュ市長が5年間市長を務めてきた。
そしてドキュメント映画の巨匠、91歳にしてこれまで43本のドキュメンタリー映画を作ってきたフレデリック・ワイズマン監督が作ったのが「ボストン市庁舎(原題 City Hall)」という映画で、上映時間がなんと274分、つまり4時間34分。
トイレの近い私にはとても劇場では見ることができないが、多分インターミッションがあるんだろう。
それにしてもWOWOWでもこんな長い映画は放送出来るだろうか。
日本では今日からBunkamura ル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマカリテで公開が始まり、今後関東各地で公開される。

この人が撮った「エクス・リブリス ニューヨーク公共図書館 Ex Libris: The New York Public Library (2017年)」はやっぱりこの作品と同様で、細かい説明は全くなくて、会議の様子や、ボランティアの話し合いなんてのが、そのまま映し出され、とても興味深い作品だった。
今度の「ボストン市庁舎(原題 City Hall)」も同じ手法だけれど、中に出てくるシーンは驚きの連続である。

フレデリック・ワイズマン監督がいくつかの街にこの映画のアイディアをリクエストしたけれど、「どうぞ」とウェルカムしたのはボストンのマーティン・ウォルシュ市長だけだったそうだ。
この市長の活動によって、各施設の窓口は大きな権限を持たされ、市民の立場に立った行政を積極的に展開してきたことで有名になっているのだそうだ。
私はボストンに二度ほど行って、クラムチャウダを食べ、フリーダム・トレイルを歩いたことはあるけれど、そんな革新的な市政が進められていたとは全く知らなかった。

監督の話がまた良い。
「戦死者を弔うのは、彼等が犠牲になることによって、戦争のあと、世の中が良くなるということだ」
このことばだけでも、日本の政治家を首根っこを捕まえてきて、じっくり聞かせたい。
そのために、新しい日本国憲法が作られたのではなかったのか。


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