"特務艦「宗谷」の昭和史”から
共同通信の田英夫は33歳で、第一回の南極観測に同道した。
結局うちの親父の名前は何かの本か、徳永さんの原稿の引用で出てきただけだった。
この本は南極へ出かけるまでの、ゴタゴタが細かく出ていて、子どもの頃でなにも知らなかった私の空白を埋めるには役に立った。ポジション争いが大変だったんだなぁ。
タローとジローは観測隊員を見つけてすぐさま駆け寄ったのではないということもわかった。彼等はまず警戒したのだそうだ。名前を呼んでみたら、尾っぽをピクッと動かしたので、あぁ、そうなんだ、とわかったと書いてある。そこだけで泣いちゃいそうだ。極寒の地で、一年間耐えたんだからなぁ。