ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

南極観測支援艦

 「しらせ」が現役を引退し、後継船は来年から就航し、これまた「しらせ」という名前になる。これは後年相当に迷惑をかけることになるだろう。というのはどうやら旧「しらせ」を引き受けると名乗りを上げたのが民間企業2社と、公益法人など5団体の7グループにのぼったと云うことを文部科学省が発表したのだそうで、これで保存利用される可能性が出てきたということなんだそうだ。しかし、もしこれを「宗谷」「ふじ」と同じようにどこかで公開される様にするんだとしたら、大幅な改造が必要になるはずだし(消防法や海上交通安全本なんかが関係するのではないだろうか)、公開するために係船する陸上施設の建設、運営上の経費、人件費、メンテナンス費用なんというものがかかる訳で、それを入場料だけでカバーするのは困難だろう。だから、7グループが名乗りを上げたと云っても、まだまだ全然油断はできない。みんなが降りちゃうかも知れないからだ。

  • 南極観測船「しらせ」が持ち帰った「南極の氷」が7日、橋本市立清水小に贈られ、児童らは氷に触れながら神秘の世界に思いをはせた(2008年5月8日 読売新聞和歌山版)」
  • 南極観測船「しらせ」が持ち帰った氷が29日、自衛隊秋田地方協力本部から秋田市の自然科学学習館に贈呈された。約60人の親子連れが訪れ、氷の塊を触ったり、コップの水に氷を入れて乾杯した(毎日新聞 2008年4月30日 秋田版)」
  • 「25年間の任務を終えた南極観測船「しらせ」の通信長だった海上自衛官妹背道寛さん(41)=横須賀市=が、故郷の鹿本郡植木町の子どもたちに南極の氷を寄贈。7日、町内の四小中学校で鑑賞会があった(熊本日々新聞 2008年5月7日 23:19)
  • 「25年にわたり日本の南極観測を支えた南極観測船「しらせ」(*1 11,600トン)」が18日、8月の引退を控えて関係者を招き、東京港から横須賀港までのお別れ航海を行った。(中略)早朝から強い雨が降る中、出港時の作業の様子を公開したほか、乗組員の案内で厳しい南極海での航海で傷みが目立つ艦内を見て回った。(西日本新聞 2008年4月18日 11:10 )」あぁ、竣工直前の報道公開のあの日もやっぱり雨だったなぁと想い出す。最後にもう一回動くあの船に乗せて戴きたかった。

 そういえば、旧「しらせ」は三本のプロペラを持っていたが、新「しらせ」は二本のプロペラになるんだそうだ。外側の二本が氷によって損傷を受けても真ん中のプロペラが安定して推進するんだと説明していた様な気がするが、今回はそんな危険性は微塵もないという結論に達しているのだろうか。

*1:基準排水量