ほぼ足りてまだ欲 その先

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噺家

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 嫌いな噺家、というのはすぐに思い浮かぶんですよね。
 例えば先代の圓楽。でっかい顔のくせに(私の自分のことは棚に上げておきますが)「星の王子さま」なんぞといいやがって、あの胴間声の笑い声がイヤだったねぇ。不器用な人だったから気の毒な気もしないではないけれど、まともな噺を聞いててつまらない。先代の小さんが小三治におまえのは噺は面白くないと云ったっていうけれど、いや、あの圓楽の噺よりは数段面白かった。
 立川談志、あの嫌み加減が嫌いだった。どうして彼があんなにもて囃されるのか、一層理解しがたかった。彼が「芝浜」で、夢だと思わせたのがそうじゃなかったとわかった時に、かみさんが頭をつかまれながら言い訳をするところをやるのが、実に嫌いで一度見てから彼の「芝浜」は二度と見なかった。彼を唯一評価するのは、松元ヒロのことをわかっていたことくらいだ。
 芸術協会の噺家に好きな噺家が少ないのは、子どもの頃のテレビの影響だろうけれど、夢楽米丸、小せんあたりが好きじゃなかったからかも知れない。柳昇もあんまり好きじゃなかったんだけれど、晩年のあのボォ〜ッとした雰囲気が何だか良くなった記憶だ。落語協会でも小益(今の文楽)やら、桂太(今の伯楽)へんはイヤだった。面白くなかった。
 今でいうと、小痴楽がダメだ。あと十年くらいして世の中がわかるようになってからちゃんと聴きたい。

 好きな噺家はたくさんいすぎて、列挙しきれない。
 早くなんの憂いもなく、昔のように大笑いできる寄席に行ける日がやってこないかと首を長くしている。もうじきキリンになっちまいそうだ。