ほぼ足りてまだ欲 その先

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長周新聞 2023年4月19日

非常に長くなるけれど、自分のために記録しておく。

有田芳生下関駅前での第一声(4月11日)

 私の父と母は、20歳、21歳のときにこの下関で働き、1950年11月12日に今の長門市で結婚した。私は両親の出発点の地であり、私にとっての原点である山口4区で勝利のために徹底的にたたかう。

 私は今回の選挙のために「第三奇兵隊」を結成した。明治維新に向かう幕末期、山口県では、長州藩がたいへん厳しい状況に置かれていたときに、若き高杉晋作たちが志士、農民、商人など身分や職業の違いをこえた奇兵隊を結成し、この日本を変えていかなければならないという思いで、わずか80人ほどで決起し、萩の俗論政府とたたかって状況を転換させた。当初は無謀な戦いとみられていたが、志ある人たちが立ち上がり、この日本を大きく動かしたのだ。1年後には第二奇兵隊がつくられ、また被差別部落の方々は維新団という組織をつくって、みんなで新しい日本をつくろうと努力してきた。
 ところが維新回天の事業が成った後、奇兵隊は組織を解散させられた。私はそこから日本の変質が始まっていったと判断している。

 今回、山口4区から日本の政治を変えていくために第三奇兵隊を結成し、今日も昨日も人々がボランティアとして駆けつけて下さっている。
 作家の司馬遼太郎さんもいうように、山口県で「先生」といえば吉田松陰だ。その吉田松陰先生は、「草莽崛起(そうもうくっき)」を唱えた。名もなき一人一人の小さなものたちが志を持ち、その世の中を変えようという思いが重なることで日本は変わってきたし、これからも変えていくことができる。その思いで全力をあげてたたかう。

 争点の一つは、統一協会問題だ。極端な韓国ナショナリズム。世界はやがて韓国語に統一される、あるいは日本はサタン(悪魔)の国であるとまで書かれた「原理講論」という教理解説書を、教会信者たちは学び信じて、今も活動をしている。下関は、統一教会にとっての聖地だ。1941年4月1日、後に統一教会の教組となる青年(文鮮明)が、釜山から関釜連絡船に乗って下関に降り立った。だから、ここは聖地として今も多くの信者さんがいらっしゃる。

 だが極端な韓国ナショナリズムで、天皇陛下文鮮明教祖にひざまづくような儀式までする教団と、どうして保守を名乗る日本の政治家が手を携えてやってくることができたのか――。こんな政治は今度こそやめさせなければならない。
 昨日、県議選がおこなわれ、三重県では文鮮明教祖の葬儀の実行委員になっていた現職県議が落選した。だが、全国的には統一教会と深いかかわりのある国会議員が、この山口県も含めて何もなかったかのように今も活動している。

 統一教会がなぜ国会議員に近づくのかといえば、政治の力を使って日本の政治を歪めるためだった。数日前にも報じられたが、1992年3月26日、統一教会文鮮明教祖は日本に超法規的に入国した。1970年代から3回にわたり、「文教祖にビザを出してほしい」と統一教会は組織を挙げて政治家に働きかけたが、入管法五条――日本又は海外で一年以上の懲役を受けた者は入国できないという法規定があるため入国できなかった。ところが最後は、金丸信自民党副総裁(当時)の力によって法務行政を歪めて、文鮮明は日本に入ってきた。その日本の政治を歪めるという目的や、統一教会と政治の関係性は今も続いている。このような現実を4区の皆さんとともに変えていく契機にしたい。

 二つ目の争点は、皆さんの暮らしだ。10年前、安倍元総理は“アベノミクスによって10年後には国民の所得は150万円上がる”とくり返し語り、メディアは毎日朝から晩まで大絶賛キャンペーンを広げた。あれから10年で暮らしはどうなったか? 150万円上がるどころか、実質賃金も、平均賃金も下がり、G7の比較でも1997年の平均賃金を100として、米国は200をこえているが、日本だけが93・3だ。こんなことでは、年金も下がるなか、私たちは安心して暮らすことはできない。下関・長門だけでなく、全国を歩いてもシャッター通りが広がった。これがアベノミクスが残したものだ。

 だが下関・長門の地は、司馬遼太郎さんが書いているように、まろやかな自然、温和な気候、丁寧で正しい言葉遣いの住民の皆さん、優しさ、そして武家の気品が地熱のように今も続いている。この地において観光産業を含め各種とりくみを住民の皆さんとともに新しい政策に練り上げ、実行していくことができれば、必ず新たな展望を切り開くことができる。

 三つ目の争点である拉致問題については、結論のみお伝えする。2002年9月17日、小泉純一郎総理が訪朝し、北朝鮮の最高指導者は日本人を拉致したことを認めた。今、政府認定拉致被害者は、横田めぐみさんをはじめ17人。安倍元総理が「内閣の最重要課題」といい続け、菅政権、岸田政権まで維持されている方針は「すべての拉致被害者の即時一括帰国」だ。だが外交交渉の常識として、要求が100%すぐに実現することはあり得ない。02年に5人の拉致被害者が帰国して以降、議員が胸にブルーリボンを付けるだけで交渉は影を潜め、1人も被害者をとり戻せていない。

 2014年、日朝ストックホルム合意があり、北朝鮮側は、日本政府が認定する拉致被害者である田中実さん、金田龍光さんが北朝鮮で生きているということを日本政府に通告したが、このとき安倍元総理は報告書を突き返した。あれからもう7年だ。田中さんは今どうなっているかもわからない。私の調査では結婚相手は日本人であり、もしかすると拉致被害者かもしれない。本人に会って帰国の意志や家族のことも含めて聞きとり、1人からでも取り戻すという方針に転換しなければ交渉は前には進まない。

 今日から12日間の選挙戦が始まる。“保守王国での無謀な挑戦”といわれるが、果たしてそうだろうか? 私は今回立憲民主党から出ているが、この選挙は、保守か、リベラルかの対決ではない。日本のよき伝統・文化、新しい暮らしを立場や政党をこえて実現するのが保守の核心だと私は思う。この選挙は、保守の方々の、よりよい日本をつくっていきたいと願う人たちの気持ちを実現するものにしたい。

 高杉晋作は辞世の句で「おもしろきこともなき世をおもしろく」とうたった。毎日の生活は苦しい状況が続いているが、諦めることなく、黙することなく、皆さんと一緒に山口4区から日本を変えていきたい。
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