ほぼ足りてまだ欲 その先

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偽中国残留孤児

 TBSテレビジョンの「報道特集」はCBSの「60 minutes」を意識しているような番組である。田丸美寿々がキャスターを務める。今日の二本のうちの一本は「水崎秀子」という名前を持つ残留中国人女性の偽物がすでに10年以上前に日本に入国していただけではなく、すでに戸籍まで復活して正式な日本人になっているという話。本物の水崎秀子さん本人と思われる人が死ぬまでに一度ふるさとの海辺を見たいとしているが入国できずにいるという話である。


 元厚生省の担当者の「これまでにも判明しているニセ残留孤児は10組程度あるのではないか」という言葉にはあっけにとられる。現役の厚労省官僚は「個人情報」に抵触する恐れがあるので詳細についての取材には答えられないと言明。はっきりいってしまえばこれ以上調査されると厚労省の対応の失敗を明確にされてしまうから嫌だ、という対応としか取れない。失敗を失敗として認めることのできない官僚の悪弊そのもの。はっきりいってしまえば(そればっか)自分たちの失敗を明確にしないためには残留孤児一人くらい犠牲になっても構わないという結果になる。


 まさかこんなところで不正が行われるとは思わないという“のんびりしてました”発言ではないけれど、日本に関係者が発見できないと帰国できなかった初期のケースのことを考えるとその辺の中途半端さは許せないものがある。例えば入国管理事務所は不正を持って入国したものを追求するキャンペーンをするのに対して、これはあまりにも杜撰。

(記者)
 中国陝西省に住む女性が水崎秀子さんと名乗っていて 、日本人孤児であるというようなことを名乗っているんですが、既に同姓同名の別の人物が孤児として認定されていて、その方が今帰国できないでいるんですけれど、既に調査を始めていらっしゃるというふうに聞いているんですが、今後の対応についてお聞かせ下さい。
(大臣)
 今お話いただきましたように、今中国におられる方からそのようなお話を伺っておりますので、確認作業を急いでいるところでございます。ご本人が、中国残留孤児と確認されれば当然のことでございますけれども、ご本人の希望どおりに帰国が可能となります。今ご本人かどうかという確認作業を急いでおるところでございます。
(記者)
 その場合、既に入国している水崎秀子さんの関係者の扱いはどのようになるんでしょうか。
(大臣)
 当然またこの方についての調査もしなければなりません。ただ、まずは今中国におられて、そのような申し出をされておられる方の帰国に向けての手続きを急いでおるところでございますので、これを急ぎたいというふうに思っております。その後で、既に今日本におられる方の調査というのもきっちりしなければならないとは考えております。
(記者)
 残留孤児対策室の元担当者が、「そのような疑いというか同姓同名の人が既に入国しているために新たに申請した人が入国できないような可能性のある人が10人くらい今までいるのではないか」というようなことを私どもの取材に対してお答えしているんですけれども、今後「既にあなたはもう同じ名前の人が入国していますよ」というような人が出てきた場合についてはきちんと調査をされるのか。それから過去においてそういうことがあって「あなたと同じ名前の人は帰国しています」と言って断っているような人を遡って調査したりはされるのでしょうか。
(大臣)
 このことというのはずいぶん時間が経過した後に作業いたしておりますので、いろんなケースがあるんだろうと私も理解をいたしております。決して何か特別の意図があるとか何とかいうことではなくて、記憶違いだとか古い話になっているのではというケースがあるんだろうと思っております。従いまして新しく名乗り出た方が同じ名前の方が既に日本におられるからということで、その方の帰国を妨げるというようなことになってはならないと考えておりますから、そこはそれはそれとして新しく名乗り出た方の調査をしっかりして、確認ができればすぐ帰国していただくというふうにはしたいとまず思っております。
 それからいろんなケースがあるだろうと思いますので調査をして、それはまた個別に対応していきたいと考えております。

一体どうなるのか、行方を見守りたい。