近頃はどうなっているのか知らないけれど、私が滞在していた7-8年昔の頃のデパートのCD売り場での話。店頭に並んでいるCDケースの中は空であった。どういうことかというと中身は他の袋に入れてキャッシャーの後ろの引き出しに並んでいるのであった。欲しいCDがあるとその空のケースを持ってキャッシャーにいくのだ。すると店員さんは、「私はとにかく慣れているんだものねぇ、格好良く出さないとね」と取り出すのだ。このシステムは万引き防止には絶大な効力を表すわけである。何たって取られるものはこっちの引き出しに入っているのである。しかし、残念なことに作業に手間がかかる。まず中身を出して、それ用の紙袋に番号を書き入れ、タイトルを書き、アーティスト名を書き、値段を書く。君らの店にはPOS-systemはないの？で挙げ句の果てに中身だけが何枚も宙に浮いて残ってしまうのである。どうして？間違えて入れちゃった（本当にあるのだ。私も家に帰って中身が違うのでびっくりしたことがある）、ケースだけ持って行かれちゃった（そいつなんだよ？）、外見と中身を合わせるのが面倒くさい、なんてことだろうか。それでもって時々とんでもないバーゲンがあった。中身だけになっちゃったものを売るのである。ジャケットもない。中には袋のままなんてのもある。私が持っているWillie Nelsonの「Moonlight Becomes You」なんてアルバムは2ドルぽっきりで買ったものである。ただし、ケースもジャケットもない。へぇ、こんなジャケットだったんだ！初めて見たぞ。
