ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

本屋で

 銀座にあるその本屋は一階に雑誌がずらっと並んでいて、単行本や新刊本、文庫、新書は二階に普通の書店の佇まいになっている。一階には何年か前から、通りかかった外国人観光客が手にしそうな日本の文房具が入り口近くにディスプレイしてある。ガイドブックか何かに掲載されたことがあるらしく、近年、割とそうした外国人客が入ってくるのを見かけることが多くなった。
 昨日も私が月刊誌の最新号を手に、他の雑誌の特集を見ているうちにそうした一団が入ってきていた。ひとりのお爺さんが同じようなボールペンを10本ばかり握りしめてキャッシャーに来た。若い女性店員は笑いをこらえきれない。なんでこんなものをいっぺんにこんなに買うんだろうと。かおには「なに、これぇ!?」と書いてある。
 私はもう一冊の月刊誌を手にしてそのお爺さんの後ろに並んでいるつもりだった。するとその仲間のお婆さんがまたしてもボールペンを10本ばかり手にしてそのお爺さんの横からカウンターに置いた。ここで何かをいえば良かったのだけれど、全く日本語は通じていない。またまた他のお婆さんが同じように入り込んできたからさすがに、肩をトントンとして、まんま日本語で「私並んでます、後ろに並んで下さい」といいました。すると不思議なことにそのお婆さん、私の後ろに回ったんです。雰囲気でわかるのかな?
 これで万事は解決するかと思ったら、最初のお爺さんがおつりが少ないといっているらしい。お爺さんは1万円札を出した。キャッシャーに表示されているのを見ると、料金が2千円ちょっとで、おつりが7千いくらと出ている。お爺さんは一本あたりの料金の他に何か余計な金額がついているといっているらしい。どうやら消費税がわからないのかも知れない。なんにも知らずに来ているということなんだろうか。
 そうなったら、何ごとならんと彼らの一団が全員キャッシャーに取り憑いてわぁわぁになってきた。私はとうとう諦めて「上で払うからね!」と二階へ上がった。
 もう習慣の違いだからというのもあるけれど、他国へグループで出かけて心細い中、つるんでいくというのは私たちが何十年か前に欧州、米国でやっていたまんまの行動だ。もうまるで同じで、心理状態は手に取るようだ。きっとあの頃もまた現地の人たちはそれを許容してくれていたんだろうなぁとつくづく思った。