ほぼ足りてまだ欲 その先

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そんなにするのか

 こちらの方のブログで『知られざる戦争犯罪 日本軍はオーストラリア人に何をしたか』(田中利幸著 大月書店 1993)を紹介しておられる。著者の田中利幸は豪州キャンベラのAustralian War Memorialに在籍していたはずで、どうやら広島市立大学広島平和研究所の教授となっておられるようである。豪州ではToshi Yuki TanakaあるいはYuki Tanakaで検索するとヒットする。東京裁判に於けるウェッブ裁判長の立脚する視点を語る上では、豪州国民がどの様な状況に置かれていたのかを知らずに語ることはちょっと難しい。「日本軍捕虜収容所の日々」(ハンク・ネルソン著 リック・タナカ訳 杉本良夫監修 筑摩書房 1995)にも正対することは必要だ。こうした資料は確実に存在するが、日本語になかなかならない。しても誰も正対しない。
 私の書棚にあった「知られざる戦争犯罪 日本軍はオーストラリア人に何をしたか」はシドニー紀伊国屋(かつてはニュートラルベイにあったが、今はCityのQVBの傍に移ったと聴く)で買ったようで44.15ドルのプライス・タグが付いている。今の為替レートで云ったら約4000円である。今だったらこれだけのプライスがついていたらとても買えない。サラリーマンだったあの当時だから買えたのは明白。上記の方のサイトによると「本書は現在新品では入手不可能なようで、Amazonの「マーケットプレイス」ではなんと9,450円という価格がついている」とのことだ。この手の著書は売れないから増刷されることもないと云うことか。その意味ではすでに5刷となったという粟屋の「東京裁判への道」はタイミングがあっていると云うことであろうか。