ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

聞き耳

 先日、あるところに出かけたときに近くに座っていた、そうさなぁ65歳くらいのおばさん(おばあさん?)二人の会話はとてもおもしろかった。どうやら二人は仲の良い友達で、それだから二人で出かけてきたらしいのだけれど、ずぅ〜っと話しているのは大柄な方のおばさんで、小さい方のおばさんはずっと声がこちらまで聞こえてこないくらいの小さな声で、「ウン」とか「ヘェ〜」とかいっているだけらしい。で、そのおばさんの話というのがずぅ〜っと旦那のことなんだ。「冗談じゃないわよねぇ〜、私はあの人の女中じゃないってのよ」とか「俺のおふくろは身体の調子が悪かったときにはお粥を作ってくれたり、風邪を引いたら林檎を擦ってくれたりしたんだっていうのよ。そんなの当たり前よねぇ、どこの親だってそれくらいのことはするわよねぇ!」っていっている。多分その旦那は俺の親はお前の親より良くしてくれた、といいたいんじゃなくて、お前も俺にそれくらいのことをしてくれと懇願しているんじゃないんだろうか。そんな旦那も旦那だけれど、このおばさんもどうなんだろうねぇとおかしくなった。そんなに旦那を許せないんだったら別れちゃえばいいじゃないの、なんていったとしても、実は全く意味を持たないに違いない。多分このおばさんは、自分のうちに誰かが遊びに来たら愛想を振りまきながら楚々とした妻の役を演じようと思ったり、確かに演じたりしているんだろうね。なんて思ったことをこうして書いている俺も俺だけれど。