ほぼ足りてまだ欲 その先

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フルキャスト球場

 一週間以上も前の古い話で恐縮だけれども、河北新報の2007年09月07日記事によると、仙台の楽天イーグルスの本拠地が「フルキャスト球場」と呼ばれるのは今期限りとなったということだ。宮城県営球場は2005年にフルキャストと3年契約で命名権を売っていた。ところがフルキャストが違法派遣で東京労働局から事業停止命令を受けたことによって宮城県教委は9月7日、同社と契約しているネーミングライツ命名権)契約を解消する方針を決めたという。理由は「フルキャストへの事業停止命令が、契約解除条件の「社会的信用の失墜」に当たるとの判断」だということで、今期のイーグルスの本拠地最終戦は10月3日の日本ハム戦だそうだ。球団それ自体も甚だ危うい経営母体によって存在しているけれど、そっちはまた別の問題だ。これまでの契約ではフルキャスト楽天イーグルスに毎年1億5千万円、県に5千万円支払っていたそうだ。
 ところで、こうなると気になるのは西武ライオンズのことだ。こっちも成績では楽天イーグルスと良い勝負で、挙げ句の果てには経営母体の怪しさも同じようなものである。グッドウィル・ドームの命名権もさることながら、ここの二軍なんかは胸にGodwilなんて書いてあって、怪しさをぷんぷん振りまいている。そもそもこうした言葉を企業名称に組み込むこと自体が既に怪しいといえば怪しいものがある。
 フルキャストにしてもグッドウィルにしても、日雇い派遣契約者から「データー装備費」なんて訳のわからない金を半ば強制的に集め、訴えられても返却しなかったりというスタンスで企業経営を進め、しかもこんなところで宣伝費を使ってやってきた。派手に行動する企業ほど怪しいことはこれまでもいろいろあったけれど、それでも欺されてしまう自分たちの学習能力が情けない。

 フルキャストは9月10日、全国316カ所の事業所の約3分の1にあたる111カ所を統廃合すると発表した。集約化による法令順守体制の強化や、経費削減が目的。延べ約174万人いる派遣登録スタッフの大半は別の事業所に移るが、青森や宮崎など一部では仕事が失われるところもある。読売新聞 2007年09月11日03時12分

 日雇い派遣がワーキング・プアを生み出すという論議が始まった頃、ならばこのシステムを追求していくとそれまで日雇い派遣でもそれなりに仕事を手にしていた彼らはこのシステムから放り出されることによっていよいよプアになってしまうということをいう人がいた。それならばこのシステムをそのままにして彼らの生計を曲がりなりにも成り立たせればよいのかと云えばそんなはずはない。角を矯めて牛を殺すの例えはこの場合にはあてはまらない。こうしたシステムで誰が最も得をしているのかといえば派遣業者ではない。彼らは直接的に上前をはねてきたのだから、勿論許し難い。しかし、大手のメーカーが日本の労働産業の集約であることは明らかで、つまり最もこのシステムでメリットを受けているのが大手メーカーや流通業であることを忘れてはならないし、これを論議して行かなくてはならない。
 だからこそ、キャノンの偽装派遣についての追求を弛めてはならないし、その為に政治が求められていることを忘れてはならない。せっかくの国会期間を自党の総裁選びに無駄に費やす愚を犯している自民党についてマスコミはきちんとした扱いをするべきだ。何がクールな福田で、何がサブカルチャーの麻生だ。そんなものに密着している暇があるのであればなぜ、この問題や腐りきっている警察内部の摘発に努力をしないのか。
 民主党はこの機会を捉えてどんどん辻説法を続けるべきだろう。