ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

参議院

厚生労働委員会

 (途中から共産党の小池、社民党の福島両議員の質問だけ。)
 小池は日雇い派遣の実情をどうしていこうと考えているのかと自身がネットカフェを見にいった経験談を踏まえて柳沢大臣に迫るが、柳沢は自らこの雇用形態を選択している人もいるんだ、どんな形態で就労するのかというのは個人の意思だ、といった言葉をちりばめながら、ハローワークの機能を充分活用して対応していくことを考える、と別段抜本的対策を考えるという姿勢にはどうやらなさそうである。小池が「実態を把握しているのか、調査しているのか」と訊ねたことに対し、高橋労働安定局長は

 日雇い派遣と云うことで日雇い派遣は派遣事業で働いているわけで、労働者派遣制度上は特別なこういう形態も含めまして特別な規制がないという中では必ずしも詳細については私ども把握は致しておりません。ただ、現在雇用保険の加入に関わりまして、いわゆる日雇い派遣という就労形態で働いておられる労働者を雇っておられる事業所から相談という形で雇用保険の適用について頂いておりまして、今労働者の雇用実態がどうなっているのかという点を事業者調査等を実施しているところであります。

 こう回答しているので、調査結果が出てくるのが待ち遠しい。
 当然のことにかつてあり得なかったこうした労働形態が現出したのは、例の労働法制の改正によって規制緩和をされたことがその根源にあることは誰が考えてもわかる話で、何もかも派遣でありとしてしまったことがその要因である。なにかというと政府答弁の中には「中にはこういう形態で働きたいという人もいるわけだからその多様化を確保することも必要だ」と見解を述べる。今日も柳沢は日雇い派遣の話をしながら「半分くらいの人はこれを肯定している」というニュアンスを述べ、あとで、あれは「派遣労働」のことを云っているのだと辻褄を合わせる。とんでもない話で、派遣、請負、外国人の「研修・実習」ビザ、日系外国人の労働許可はすべて雇用側の利のために作られた制度であり、被用者としてそうした形態を取りたいという要望が多く寄せられたから作られた法制度では決してないことは明らかである。いくら誤魔化してその場の時間を潰して委員会をやり過ごしたとしてもその根源は自明である。
 福島が取り上げた中に、原爆症認定に関する問題がある。
 今日の参議院厚生労働委員会福島瑞穂議員が質問した原爆症認定訴訟に関するやりとりは少し情報を持っていないとわかりにくいものであった。東京新聞の記事が詳細に報じている。既になくなっている方ではあるが、東数男さん(死亡当時76歳)は長崎で被爆C型肝炎を発症し、認定訴訟を起こし、2004年三月に東京地裁で勝訴した。しかし、国は控訴。2006年三月に東京高裁が「C型肝炎は原爆の放射線に起因するものである」として認める判断を下したものの、東数男さんは昨年一月に亡くなっていた。国(厚労省)は上告を断念。「判決は個別の事案に対する判断で、直ちに審査の見直しにはつながらない」としながらも、「肝機能障害による認定申請の取り扱いについて科学的、専門的な検討を行う」として研究班を設置した。ところが、今月に入って通知された報告書はC型肝炎被爆の因果関係を改めて否定。この研究班の主任研究者は亡くなった東さんの訴訟で国側証人として出廷した医師だったのである。つまり、裁判所によって否定された証言をした戸田剛太郎・せんぽ東京高輪病院長(元慈恵医大)を主任とした研究班が組織されたことも問題ならば、その研究班が司法が否定した結論を再び持ち出していることも問題であるということだ。これを福島議員が「司法をないがしろにしている」と主張している点である。
司法が認定するべきであると判断を下し、国は反論していた戸田医師の認定できないという判断を研究班の結論として出したと云うことで、明らかに霞ヶ関が東京高裁を軽視しているものと云って間違いはない。
 私はこれまで国会の委員会を傍聴に行ったことはないから全く知らなかったのだけれど、今日のインターネットテレビを見ていて驚いたのは、委員の質問者が交代するたびに委員会室では多くの政府委員が大量に入れ替わるのである。つまり、事前通告して、(多分)徹夜で答弁を用意した官僚たちが入れ替わると云うことなんだろう。金がかかっているにもかかわらずろくな答えもせず、その場をどがちゃがして終わらせるという作業に膨大なエネルギーが費やされているのがよく分かる。

予算委員会公聴会

 知らなかったのだけれども、予算委員会の公述人というのは公募されているのだそうだ。こちらにその「お知らせ」があるのだけれど、お知らせの日付がなんと3月9日である。アパートの集会のお知らせじゃないんだからなぁ、とその短期間に驚く。要するにもう人は決まっているってことなんですな、これは。建前ってぇやつ。 中央大学法学部教授 富田俊基、ジャーナリスト・東北公益文科大学大学院教授 北沢栄、静岡県立大学国際関係学部教授 伊豆見元、早稲田大学教授 重村智計、経済ジャーナリスト 荻原博子国立感染症研究所ウイルス第三部長 田代眞人の六人という豪華メンバー。最後のご両人のところをほんの少し見た。鳥インフルエンザがいつ人間に感染するようになるかもわからないから、数週間分の食糧備蓄をそれぞれが持って、家に引きこもってやり過ごせるように各自で備えておくべきだという発言にギクッとする。それにしても参議院のオンデマンドビデオで重村先生の発言を聞こうと思ったんだけれど、MXテレビ都知事候補者討論会に気がついたのでやめる。