ほぼ足りてまだ欲 その先

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休みの日

 かつてのキリスト教文化にある地域では日曜日に店を開くなんて考えられなかった。クリスマスというジーザス・クライストの生誕日に店が開いているなんて誰も考えもしなかった。夕方5時、6時以降まで店が開いているなんて思いもしなかった。しかし、いまはどうだろう。そのままの習慣を保持しているだろうか。多くのキリスト教文化圏もキリスト教徒のみが暮らす社会ではなくなってきている。イスラム文化の拡大、そして浸透はかつての比ではない。ほぼ全文化圏に彼らの拠点が増えている。そして宗教になんら関与しない層がどこでも増えてきている。
 日本が高度成長経済下にあってどんどん輸出産業がその売り上げを伸ばし、外貨を取り込んで黒字となっていく過程で、「あいつらは働き過ぎで、同じレベルからの競走にいないのは許し難い」といわれた。何をバカなことをいっているんだ、やったモン勝ちじゃないか。負けたくなかったらそっちも俺たち以上に働いてみたらいいじゃないか。そんなこともしないで、のほほんとしていていいたいこといっている奴らが悪い」と本当に心の底からバカにした。
 宗教的習慣がどんどん保持しにくい状況が進展してくるに従ってまさに働いた者勝ち、働かせた者勝ち価値観が拡大しているのではないかという気がする。日曜日には朝からシーンとしていたキリスト教文化圏の街は今や非キリスト教徒が経営する店はなんら変わらず開店し、そのおかげでショッピング・センターは大いに賑わっている。日本だって、かつては通りには遊ぶ子どもたちがいるだけだった正月も下手をすれば元旦からお店が開いている。
 その裏には何があるのかといえば、人々の便利さのためにそれまで誰も働かないで、休んでいた時間に働かなくてはならない人々がどんどん増えてくるということである。しかも彼らの大半は正社員ではなく、その上そうした多くの人が休んでいる時間の稼働に従事している人が増えているんじゃないかなぁ。
 24時間営業しているから夜中の人通りの少ない時には泥棒がやってきたりする。そんな危険を冒してまで営業し、稼働しているのはなんでなんだろう。儲けたい人が儲けたい時間を狙って仕事するんだからその人の勝手じゃないか、というのが自由経済の考えなんだろうか。なるほど、「ゆとり教育」を止めたんだものね。それでみんなで癒されたくなると、そこにまで儲ける人が走り回るということか。