ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

本屋の店頭に

 先週あたり本屋に顔を突っ込むと入口のすぐ目につくところに大体置いてあったのは、河出書房新社の世界文学全集 1-1としてあって真っ青、というのかエメラルド色とでもいう表紙のジャック・ケルアックの「オン・ザ・ロード」である。見たような名前の著者であるし、確かあのジャック・ケルアックの「路上」の原題は「On the Road」である。案の定、同じ原作の「半世紀ぶりの新訳」なんだそうだ。なんで今頃新訳がこんなに大々的に宣伝されるのかと不思議。つまりは新しい全集の始まりということか。
 私の手元にあるものを見ると河出文庫からでたもので、1983年初版で私のものは1991年の11版だと書いてある。訳者は福田実である。原著は1957年頃のものらしい。日本ではハードカバーでは出ていたのだろうか。
 今度の翻訳者は青山南でよく知られた人らしい。女性かと思っていたら早大・第一文学部 文芸専修の先生で男性の方だということだった。そういえばかつてのこうした翻訳物の小説というものは概ねそれ風の日本語だったし、それでいいんだというものだったのではないだろうか。そういう意味では今の人たちは恵まれているといっても良いのかもしれない。
 それにしても河出書房新社はこの世界文学全集に相当力が入っているということなんだろうか。池澤夏樹の個人編集だと書いてある。彼は確かジャック・ケルアックの詩集かなんかの訳をやっているのではなかったか。全12巻だそうだ。