今日から動いているお店もありそうだからと銀座方面に散歩に出たのだけれど、なんと携帯電話を持って出るのを忘れてしまって、何歩歩いたのか、さっぱりわからないのだけれど、これまでの経験からいうと、多分5000歩くらいじゃないだろうか。
年末ジャンボはまだ替えられないのだけれど、それまでの宝くじだったら替えてもらえるというので出したら2,900円にしかならなかった。とても惨めだった。当たり前のことながら預金は減るばかりだ。
まず最初にそういう惨めさを味わってしまうと、正月の喧噪から自分ひとりは取り残された状態で街を歩くことができるというのはそれはそれで現実に直面できるという意味で良いことなのかもしれないのだ。
今日は最初から銀座松坂屋(正式には大丸松坂屋というらしい)の地下一階にある「乾山」というとんかつ屋のダイニング・インが目的地である。何でかというと先日友人がFacebookに彼が食べたカツ丼付き蕎麦の写真をアップして、それが実に旨そうで、どうせカツ丼食べるなら前から気に入りのここのひれカツ丼を食べたいと思ったのである。
今日はたどり着いてみたら5席しかないカウンターは既にいっぱいで、店の前の椅子に二人の30代とおぼしき女性が座って待っている。待つ椅子はあと二つ空いているのだけれど、座りにくいので立ったまま買ってきたばかりのKAWADEムック文芸別冊の「小沢昭一」を拾い読みする。
先日の土曜ワイドに大竹まことが登場して、小沢昭一と対談をしたことがあるといっていたのだけれど、ここにそれが載っているのだ。彼らは二人で「この世界(つまり芸能界)には昔のように「変な人」が減ってつまらなくなった」といっている。「変な」というのはまさしく「変な」人で、話で聴くには面白いけれど、私の目の前には現れて欲しくはないタイプの人だ。例えば、赤塚不二夫が「ジャックと豆の木」で出逢ったタモリの様な存在じゃないか。この場合は赤塚不二夫もいわゆる「変な」人ではある。
松本人志もいつだったかラジオで芸能人の「不祥事」に触れて「そっちの世界では上手いことやってこれへんやってんから、許してやって欲しいなぁ」といっていたけれど、それに近いものを感じる。それでも板東英二みたいに意識して節税といって脱税やっていると問題は大きいよ。しかし、あんな脱税をやっているのはもうそこら中にいるはずで、国民総背番号制をしくと困るのはそんなところにもあるだろう。
そうこうするうちに本に目を落としている私の視界の中にちょろちょろと男が後ろにしているのに気がつく。どうやら私の後ろに並んでいる人がいるらしい。席が空いて、前の二人も、私も招き入れられた。ここは中に入る前に注文をするから、座ったらすぐに出てきちゃう。前の二人はカツカレーとヒレカツどんだった。後ろには老夫婦が入ってきたが、この二人は牡蠣フライ御膳である。ただし、この二人は私が食い終わって出るまでにとうとう二言しか発しなかった。数十年一緒に暮らした夫婦は出かけても会話はないってのが普通だろうが、うちだったら考えられないな。会話がない時は概ね私が連れ合いに腹を立てていると思って間違いない。
今日、銀座に出てきた目的のもうひとつは教文館に寄って雑誌を買うということだ。週刊誌や新書の傾向からいうと文春や新潮は大嫌いなのだけれど(くだらないだけでなくて、国民をたぶらかす超右寄りだからだ)、その新潮社が出版している本の中で唯一私が気に入りな「季刊・考える人」が出る日だからである。この雑誌は3ヶ月待っているのが辛いくらいに気に入っている。一体何がいいのかといわれると困るのだけれど、丁度今の私ピタッと来るといったら良いのだろうけれど、それでは他人には全然わからない。
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: 雑誌
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いつものように京橋の交差点にこの冷たい風が吹くのに「ビッグイシュー」売りのおじさんがいる。最新号は「ロアルド・ダール」の特集だ。この視点がこの雑誌のおもしろさだ。300円は高くない。しかも、これ一冊でおじさんには160円が収入になる。恵むのではない、売るという行為の代償であるところに大きな意味がある。
河出書房新社のKAWADE夢ムック文芸別冊「小沢昭一」
TBSラジオの土曜ワイドで大竹まことが話していた小沢昭一との対談が掲載されていて、この中身が面白い。
- 作者: 小沢昭一
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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- メディア: 文庫
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そうだ、小沢昭一といえば晶文社から全6巻で小沢昭一百景というものが出ている。いつだったか彼が自身で年末の紀伊國屋ホールでのオークションに持ってきて、大した金額がつかなくて、とてもガッカリしていたのを見た記憶がある。あれはなんだったのかなぁ。
小沢昭一といったら殿山泰司を思い出さないわけにはいかないのだけれど、実は殿山泰司の方が一回り以上歳は上だったんだね、じっちゃん。植草甚一は殿山泰司よりもまだ7歳くらい上だ。かつての「話の特集」の中にはこの人達が一緒になって寄稿していたんだから凄い雑誌だったなぁ。
- 作者: 池澤夏樹
- 出版社/メーカー: 小学館
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- 作者: 相倉久人
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