ほぼ足りてまだ欲 その先

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土曜ワイド

 来月末で、この番組も終わりらしい。そりゃしょうがない。永六輔もほとんど喋りにくそうだ。小沢昭一も、加藤武もみんないなくなっちゃって、残るのは永六輔大橋巨泉だけれど、彼らもうかなり草臥れて来ちゃったものなぁ。なんたってもう82歳だ。
 永六輔大橋巨泉前田武彦とくると、かつてラジオ関東で「昨日のつづき」という番組をやっていたことがある。私がまだ高校生の頃だから、もうそろそろ半世紀前ということになる。草笛光子の妹の富田恵子が出ていた。高校生にとってはなんだか洒落た大人の世界で、やめられなかった。
 浪人していた夏に、この番組が茅ヶ崎にあったパシフィックパーク茅ヶ崎というホテルで公開録音をやって、葉書を出したらあたった。前田武彦しか来ていなかったが、浪人生活でまったく日焼けをしていなかった私を捕まえて、前田武彦が「君はまるで私が好きな豆腐みたいに真っ白だね!」といったのがそのまま放送に乗って、今だったら「失礼だろ!」といいそうだけれど、なぜかその頃は嬉しかった。
 このホテルは加山雄三がオヤジの上原謙と共同経営だったらしいけれど、白くて瀟洒なホテルだった。ま、そんな人が経営するといったってどうせ人任せなんだからいいようにやられちゃうわけでほどなく潰れた。後日加山雄三がラジオで言うには、借金から逃げるために欧州を夫婦でほっつき歩いたらしい。逃げるのに欧州ってのもふざけた話だけれど、そんな話を平気で公の場で語るのもどうかと思う。
 永六輔インディ500のテレビ放送にいって「今日はどんな事故が起きるかと思うとワクワクする」といって顰蹙を買った。顰蹙を買うんだけれど、実際レースは何が起きるかわからないのを楽しむものだ。軽薄だなぁと思ったけれど、正直な奴だなぁとも思った。
 永六輔の周りには(あんなにけんかっ早いのに)いろいろ面白い奴がいる。矢崎泰久が四苦八苦しながら発行していた雑誌「話の特集」にはそんな連中が嫌というほど集まっていた。今でも捨てられない雑誌である。私は雑誌も好きだったからかなり集めたけれど、捨てずにいるのはこれと思想の科学、そして週刊金曜日、世界だろう。
 話はどんどん移るが、小沢昭一監修という雑誌が「藝能東西」というタイトルで十号で終わったのだが、これも全部残してある。小沢昭一はひと頃日活でイヤらしいオヤジを好演していたんだけれど、それゆえ私はガキの頃はものすごく馬鹿にしていた。あの人も奥が深いのだ。
 そういえば今は脳梗塞の後遺症が残ってしまってほとんど人前に出ない野坂昭如も「終末から」という雑誌を出したことがある。こちらは十号に届かなかった。これも残してあるなぁ。