ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

友人と歩く

 長野に暮らしている友人が上京。久しぶりに二人で日曜日に歩く。八重洲口のブックセンターで待ち合わせ、一巡り。昼飯は彼が大好きな銀座鳥ぎんに行こうとブックセンターから歩く。銀座5丁目の裏通りにある鳥ぎんだけれども、これはニュー鳥ぎんに限る。多分開店は11時半だろうと踏んでちょっと早く到着したので近所を巡ると例のチョコレートのお店や、ベルギー・ワッフルのお店には早くも列ができている。これでは多分例のドーナツ屋も並んでいることだろう。ニュー鳥ぎんでは釜飯を頼むけれど、できるまでに時間があるだろうからと焼き鳥を何本か頼む。普通だったらここでビールなんだろうけれど、昼でもあるし、彼はほとんど呑まないからお茶を飲みながら、たまった話を次から次に話す。先日急逝した友達については彼も面識がある。小柱と鶏の釜飯と五目釜を頼み、半分ずつ食べるが最後は熱々の鶏スープをぶっかける。これが最高なのだ。次から次に入ってこられる日曜日の昼飯(ここは週末だけ昼開いている)のお客さんは高齢の方々で、昔からこの店を贔屓にしてきたと覚しき状況である。釜飯・鶏スープかけを堪能してアップルに向かう。
 和光のウィンドウ・ディスプレイが面白くて、二人で写真をとる。土曜日の夜に通りかかった時にも撮っていて、やっぱり夜の方が面白い。アップルをぐるりとし、4階から降りる時にエレベーターで一緒になったのはギリシアから来た人だそうで、そういえばアテネとピレイウスに行ったことがあったなぁと想い出す。彼が云うにはアテネギリシアの中では一番ナイスでないのだという。
 京橋まで歩いて銀座線に乗って末広町に出る。日曜日でも開いているという模型の店に彼が行きたいというのである。蔵前通りの裏にあるその店までえっちら歩いていって見ると、なんと閉まっている。確かに彼が持っているコピーには日曜日は午後には開いていると書いてあるというのに。何があったのだろう。中央通りにとってかえす。なにやらセミフォーマルな格好をした若い男女がペデストリアン・デッキ上に長蛇の列を作っている。なんだろう?こうしてなんだろう?というのはこれが始まりだったけれど、歩行者天国(これも相当に変なネーミングだけれども)には様々な人たちがいて、目があっちこっちに向いてしまう。こっちの歩行者天国は銀座の歩行者天国に比べると勿論年齢層が大いに異なるのだから雰囲気が全然違う。それでも家族連れがゼロなのではない。それなのにぱっと見ると色彩トーンが暗い。それでも銀座と同じように中央通り沿いはそれこそなんでもありだけれど一歩裏に入るともうなんだかすれすれの雰囲気がする。あの辺にお住まいの方(それでも少しはいるだろう)にとってはなんだかんだいっても変なことになって来ちゃったなぁというところなのではないだろうか。角にあった日通のビルの解体が終わっていて、塀に囲まれている。今度はどうなるのだろうか。
 JRの駅まで行ってみるとその辺りはあっちにひとかたまり、こっちにひとかたまり人だかりができていて、その中を覗くと、なんだかエキセントリックな頭をしてタイツみたいな物を中途半端に穿いた青年が黙々とウサギ跳びをしていて、それをビデオで撮影しているデイパックを背負った男がいる。そういえば中央通りではなんだか知らないが唄っている少女、セイラー服の様なコスプレをしてたたずんでいる二人の少女、唄っている少女、身体中にビラを貼り付けて立っている男(「普段着です」なんて書かなくたって見れば分かるっての)を何人もの男たちが遠巻きにしている。もちろんメイドカフェなるものの客引きも何人も立っている。私の友人も眼が点だったけれど、勿論私も眼が点だった。彼が模型船の店を探していたので、「ホビー」と書いてある店に入ってみたら、もう私達が持っている「ホビー」の定義からは大きく逸脱しているものだと云うことがわかった。そこにあるのはフィギュアとか、なんたらカードの類だったり、勿論コンピューター・ゲーム・ソフトだったりするのだった。
 ふたりでJRに乗って東京駅まで戻る。旧大丸の解体作業でなんだか相変わらずこみ入っている東京駅を出て、八重洲地下街に降りてお茶をする。いやぁ、良く歩いた。彼はここから新幹線で長野に帰る。私はもう一度ブックセンターに入り、地下の趣味系統分野の書籍を立ち読みする。若い人が多いせいか、本を手にとってためつすがめつしていると平気で人を横から押しのける人に翻弄される。他人が眼に入らないのだ。テレビ朝日で放映されていた「世界の車窓から オーストラリア編」が出版されていた。60分のDVDつき。1460円。買わなかった。オフィス・デポに入ってA3用のパンチファイル、A4用のクリアひも付き封筒タイプフォルダー、CD-RW三枚パック。オキナのB6方眼パッド。地下鉄で帰る。
 途中で多くの人が降り、長いシートの左から三人目のところに座っていたのだけれど両脇が空席となる。また私のことだからシートの色が変わっている一人分の中に自分をちょんまりと押し込んで座る。途中の駅から乗ってきたと覚しき青二才が私の脇の空席に無言でどっかぁ〜んと腰を落とし、老眼鏡を掛けた眼を本に落としていた私を思いっきり反対側に押しやる。思わずその人間を見ると知らん顔。どうやら意図的にその様に座ったらしくて彼は右腿で私をぐいぐいと押すのだ。私の下車駅が来たので立ち上がると、その瞬間に彼は右足で私の左靴を踏んだ。喧嘩を売っているのは明らかだ。間違ってそんな足の動作が生まれるとは思えない。しかし、私はチキンハートの持ち主だから黙って降りた。彼は何を意図していたんだろうか。ただ単に彼の親を遥かに超える年齢の私に喧嘩を売りたかったのだろうか。それとも一人分のスペースに座るのが気に入らないのだろうか。はたまたそうした行動を抑えられないという珍しい病気の持ち主なのか。
 今日は良く歩いた。夕飯の直前に友人から電話があり、珍しいメンバーで呑む。