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かくまったら・・?

日米合同委:「米兵の全脱走兵を通報」で正式合意
 日米両政府は15日、日米合同委員会を開き、在日米軍のすべての脱走兵について、米国側が都道府県警察に速やかに逮捕を要請することで合意した。神奈川県横須賀市での強盗殺人事件の米兵容疑者が脱走兵だったにもかかわらず、日本に通知されていなかったことを受けた措置。小野寺五典副外相は会見で「1、2日間行方不明になれば脱走と認定され、速やかな対応ができる」と述べた。 毎日新聞 2008年5月15日 18時15分

 例の横須賀のタクシー運転手殺害事件の余波で、こうした合意ができたのだろうと思う。
 一昨日借り出してきた「編集グループ〈SURE〉」発行の「脱走の話 ー ベトナム戦争といま ー」を読んでいたら、イントレピッドの四人をはじめべ平連・ジャテックが支援して米軍から脱走した兵士を何人も日本から国外へ逃がした実績が語られていた。当時、べ平連の人たちは彼らをかくまった日本人も捕まる可能性があると意識して行動していたというのだけれど、実際は日米安保条約に基づいて米軍将兵はどこから日本に上陸しても、出国しても良いことになっていて日本の出入国管理法から除外されている訳で、そういう立場にいる将兵をどこから出国させても日本の法に従うと違反にはならないのだということがあとになってわかったのだそうだ。
 しかし、今回の日米合意によって脱走兵については日本の官権によって逮捕されることになり、もし、彼らを日本人がかくまったらこれは公務執行妨害ということになるのではないだろうか。もちろんタクシーの運転手さんが惨殺されたことに対して取るべき手段を検討する必要はもちろんあるのだけれど、かたや簡単なこんな対処によって戦争に反対するという意志を持って脱走した将兵に対しても高いバリヤーを築くことになるということにも気がつく必要があるということだったのに、今初めて気がついた。