ほぼ足りてまだ欲 その先

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貧すれば鈍する

 未曾有の経済危機だという。ある人は百年に一度だという。ちょっと待って。じゃ今回のこれは1929年の世界恐慌を遙かに凌ぐという意味になるけれど、そうなの?これだけ世界が密接につながってしまうともうその波及するスピードと影響はこれまでに考えられないんだというのは、想像に難くない。新手のネズミ講だってあっという間に世界中から金を集めてしまう時代だから(あいつはそれまでの信用力を逆手にとったという意味では世界中引き回しの上獄門に値する)。
 こうなると企業にとってはなんでもして良いという言い訳にどんどん使える。なんたってこれまで誰も経験したことのない「危うい瀬戸際」だからだ。
 頭の良い経営者はこれをチャンスと考える。頭の悪い経営者はどんどん鈍していく。
 私がかつて働いていた会社のあの部門は今やその頭の悪い経営者がやってきてしまったようで、自分が強権的に会社の中を取り仕切ればどうにかなると思っているのか、この際だから思いっきり締め付けていやになる奴をどんどん作り出して、そこで給料の高いベテランを辞めるようにし向けようとしているかのようだ。
 始業時間は組合との協定で概ね決定することを旨としてきたけれど、彼は午前8時半の始業時間に先立つこと15分前に席に着いていろと言明しているのだそうだ。かつては始業時間ぎりぎりに駆け込んできた私に上司が「せめて5分くらい前につけないか」といったけれど、そこの職場に到着するには電車しかなくて、それの到着時間がそうなってしまうのだった。その一本前に乗るのは10分前に来なくてはならなかった。今だったら即呼び出しの怒鳴り倒しだ。
 ところが彼は自分は黒塗りでほど近いところからやってくるのだそうで、それでも途中道路状況で遅れることもあるそうだ。それでも自分のことは棚上げにして、始業15分前についていない従業員を怒鳴るんだそうで、低次元も甚だしい。
 今時こんな会社が存在するのも驚くが、それもこれも「こんな状況なんだ、いやならいつでも辞めろ」精神の表れだろうか。自分が働いていた現場がこんな状況になっているのを知ると侘びしい。確かに業種として八方ふさがりだけれどそんな状況の中でこんな上司に仕えるんでは本当に辛いだろう。
 ひょっとしてそのK本という頭の悪い経営者はあの部門をぶっつぶすために本部から送り込まれたのかもしれないなぁ。貧して鈍してしまった経営者だったらそんなくだらない方法を考えるかも知れないもの。
 そこでかつて私が仕えた上司が73歳でなくなったことを知る。