ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

「今週のお題」私の好きな音楽

 一体全体、もうこれだけは誰にも渡したくない、私が一番好きなのはこれ!これなんだ!この音楽なんだ!なんてものが私にとって何か存在するのか、というのは非常に疑問なんである。
 生まれて初めて自分で買ったレコードはなにかといったらドーナツ盤で、「The Brothers Four」の「Green Sleeves」だったはずで、これは多分中学一年生だったかと思う。ところがアルバムは何かということになるとこれは多分The Beatlesの「Meet The Beatles」だということかと思う。すでに高校生になっていた。この時から猛烈にビートルズばかりを聴き、クラスの中にいた、エルビス派、クリフ・リチャード派とその覇権を競い合っていたのだけれど、気がついたときには他の全てを蹴散らかしていたので、しょうがないからグループ・サウンズで手を打ち、バンドを組んだ。今となっては若手のビートルズ・ファンに完全において行かれている。なにしろ今の方が情報が多い。
 ジャズを聴くようになったのは一体いつからかというと、高校から大学への過渡期のことで(つまり浪人中)、予備校の近所にジャズ喫茶があったからだ。今から考えるとかつてはクラッシックにしてもジャズにしても大変なオーディオに金をかけて鳴らしたくたって住宅事情も許さないし、ましてやそんな金がないからそうしたところに行っていろいろ聴いたものだ。今やそんな店は探すのも大変。名曲喫茶なんて字面を見た記憶もない。その代わりにどこにでもその類の音楽が流れるようになっておって、居酒屋でジャズが流れているのは常識のようになっていて、昔のように演歌が流れている居酒屋なんてのは探しようもない。ま、昔蕎麦屋にはテレビがあって何かあったら蕎麦屋でテレビを見た、そしてその後は喫茶店で音楽を聴いたわけだ。なにしろ池袋の西口にはとんでもなく大きな喫茶店があって、店内向けの音楽番組をそこから店内に放送していた、なんてのがあったのだ。
 それで、おまえは一体どんな音楽が好きなんだよ、と聴かれて実は大いに困るのだけれど、唄いたい曲もなにもかも切り札がない。ジャズも唄うし、GSも、カンツォーネも、ビートルズも唄う。けれど、結局日本で生まれ、日本で育ち、日本で老けてきた私は演歌を歌うのが一番しっくり来るんである。それが嫌で、演歌を好きな音楽に入れないんだけれどなぁ。