- アーティスト: オオタスセリ,菅野浩司,松尾和博
- 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
- 発売日: 2006/01/21
- メディア: CD
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実物を拝見したのは何年か前の年末の紀伊国屋ホールでのことで、すぐさま休憩時間にCDを買った。「ストーカーと呼ばないで」である。ギターが下手だろうと良いのである。ストーカーという言葉が出てきた時に、好きなばっかりに常にくっついていたいという気持ちは嫌ってほどわかるし、実際に20歳前後の頃の自分は当時つき合っていた女の子の行動パターンを読んで待ち構えていたりしたことだってあった。尤も今だったらすぐに携帯電話で「今どこ?」ってなものなんだろうけれど(実際にそういって電話している人は当たり前のようだし)、当時はできるだけ早く会おうとしたらそんな手段もあったということだ。そんなわけだから、スセリ様のあの歌詞を聴いた時に、実は笑えなかったのだ。笑えないけれど、実は笑えるものってのはこうした場合、ペーソスを醸し出すのだ。そんな訳で私は休憩になるや否やすぐさま、スセリ様がご自分でお売りになっているところに行って見上げながら(私はチビだ)一枚購入に及んだのである。尤も永六輔のラジオで聞いていたからすぐに手が出たということである。
次の年、また紀伊国屋ホールに行った。するとまた休憩時間の時にスセリ様が声を出して新しいCDを売っておられた。「酔っぱらいオンナの歌」は入ってないの?とスセリ様にお伺いした時のスセリ様のお返事に笑ったのだ。「永さんが何もかもいっぺんに売ってはいけないとおっしゃったんです」というものだったのだ。
なぁるほど、長年こういう世界で暮らしてこられた方のお話は説得力があるなぁと。そして同時に、そうかとやっぱりと、膝をポンと打とうというものである。まさか実際にそこでそんなことをやったらおかしな奴だと思われるけれどね。
いつもいつも消費者の立場でいる私なんぞはそういうセコい(永さん、すみませぬ・・・)考えに悔しい思いをさせられてきている。それは高校生の頃から、なんでビートルズのこのアルバムにはこっちの曲は入っているのに、あの曲はそっちのアルバムにしか入っていなくて両方買わないとそれぞれが聴けないんだ・・・う〜む、汚いやり方だ、と白い木綿のハンカチの隅を犬歯で噛みちぎらんとしたものだ。
それはひとつひとつの売り上げを確実に高める公式だったのである。当たり前か・・・。最近、スセリ様のライブに足を運んでいないのだけれど、どうしてもスセリ様の感覚を我が連れ合いは理解してもらえないのだ。そして一人で出かけるほど私は連れ合いをないがしろにできる性格をしていないのだ・・・。
こうしてわが家の片隅でスセリ様のご活躍をお祈りするのである。なぁ〜んの足しにもならんのだ。すまんねぇ・・・・。