ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

傲慢というのかなぁ

 数寄屋橋に流行のハリー・ポッターの映画を見に行く。「Harry Potter and the Half-Blood Prince」てんだけれど、なにしろ原作を読んだことなんてなくて、映画でしか見ていないんだから、熱心なフォロアーではないことはどうやら確か。それにこの映画はわが家の貧弱な設備で見るのではなくて映画館のスクリーンで見るべきだと思っているから一人千円で連れ合いと見に行く。しかも切符はネットで買う。
 私が見た字幕版は丸の内ピカデリー3と書いてあったけれど、その「3」の意味を知らなかった。それは前の丸の内プラゼールのことで有楽町マリオン新館の5Fにある。私たちの前を65歳くらいの母親と45歳くらいの娘という二人連れが歩いていて新館のエレベーターの扉を制しながら「9階よ、9階!」と母親がいっている。新館は7階までしかない。これはマリオン本館と間違っているんじゃないかと余計な心配をして「ハリーポッターは二館でやっていますよ、こっちで大丈夫ですか?」とお声をかけたら、その娘というか、おばさん娘が「5階よ!5階!」と余計なお世話だといわんばかりに吐き捨てるようにいう。はなはだ、がっかりする(なにしろ私は打たれ弱い)。
 二週間前に公開された映画だけれど、まだしっかり入っているようだ。何しろ夏休みだから。
 私の席は真ん中から少し後ろの通路の端から二つ。行ってみると端から三つの席が空いているんだけれど、その三つ目には何やら毛布のようなものが置いてあってそれが二つ目にもかかっている。そして間の飲み物置き場にはカップが置いてある。躊躇する。すると四つ目に座っている若い女性が無言であたかもうさんくさい奴といわんばかりにぱっとそのカップと毛布を私の先からどける。二人で端とその次の席に座る。三つ目は開いている。
 するとそこに50ちょっとのおばさんがやってきた。声をかけるでもなく、私たちが立ち上がる準備するのを待つでもなく、ずんずんと分け入ってくる。慌てて足下の荷物を抱えて、私は立つ。それでも彼女は無言だ。
 映画が終わっても私はいつもエンディングロールが終わるまで席を立たない。隣の娘と母親は話しながら携帯電話を開いてメールを読む。しかし、ロールが終わるまで人をまたぐことはしないという礼儀は心得ているらしい。しかし、終わるや否や私が準備がすぐにできるのが当たり前という風情で、私の横にぶすっとして立っている。慌てて「失礼」といって立つ。きっと「ぐずぐずしてんじゃねぇっ!」と心の中でいっているんだろうと思うとよけいに私の動作は鈍くなる。そのうち、倒れ込んでしまいそうだ。
 お前ら、口はきけねぇのか!と啖呵を切ってみたい。

 やっぱり原作を読んでいるともっと面白いんだろうなぁ。次作は来年、その次は再来年に公開されるんだそうだ。

 帰りの地下鉄に近くのターミナル駅から大きなバックパックを背負った半ズボンの男女が乗ってくる。いかにも欧州から夏休みを使って蒸し暑いといわれる日本にやってきて、これから格安宿に向かうという風情。女性の顔ではわからないけれど、男性の顔は私が知っている米国人の顔ジャンルの中にない顔である。どんな宿に泊まるんだろうか、ロンプラを持っているんだろうかといいながら自分の駅に降りると、その駅になんと4人ものバックパッカーがいた。地図を見ている。何を探しているの?と聞くと英語が通じた。持っていたネット情報のプリントを見ると、彼らの目的地はわが家のすぐそばだ。そんなところにそんなアコモデーションがあるとはね。同行する。ビジネスホテルと書いてある。裏道にあって目立たない。この前は何度も通ったことがある。私の目から見るとそんなに安いとは思えないのだけれど、検索すると一番上に出てくる。
 彼らは英国人とスペイン人の夫婦とスペイン人同士の夫婦の4人組だそうだ。
 そんなシーズンになったということか。