ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

映画「The Taking of Pelham 123(邦題:サブウェイ 123)」

 とにかく東宝の宣伝が多分行き届いているからか、この映画が1974年に公開された「The Taking of Pelham One Two Three(邦題:サブウェイ・パニック)」のリメイク版だというのはよく知られているらしい。ちょろっと検索してみるとこの原作は1989年にテレビでもリメイクされているのだそうだ。
 あの当時、私がなんでこの映画を見ていなかったのか、全く記憶にない。多分日本での公開は翌年の1975年だったのだろうけれど、私はまだ静岡県清水市にいたけれど、多分オリオン座には回ってこなかったのか、あるいは「タワリング・インフェルノ(米国公開1974)」なんかのパニックものがずいぶん流行った頃だと思うので、「パニックもの映画」に辟易していて「サブウェイ・パニック」なる邦題が災いしてみなかったのかも知れない。
 金曜日だというのに今日が公開日だというので、ネット上で切符を確保しておいて出かけた。ところがせっかく日劇まで行くんだからあの近辺で美味しい昼飯を喰おうじゃないかと、以前友達が連れて行ってくれた和歌山の和食の店が開いている料理屋さんのランチに行く。おとなしく太刀魚の塩焼き定食にしておけば良かったのに(もちろん刺身定食、煮魚定食、海鮮定食等々あるのだけれど)、せっかく、来たんだからと柳鰆(別名サゴシ)の炊き込みご飯がついたちょいといけるランチにしてしまったら、あまり旨くて、時間ぎりぎりに飛び込む結果となった。
 しかも慌てているものだから11階の「20世紀・・・」にいってしまい、今度は慌ててエスカレーターで駆け下り、予告編の最中に息をはぁはぁさせながらおっさん数人(なんでか知らないがこの映画の観客はおじさんばっかりだ)をまたぐようにして事前にネットで買っておいたど真ん中の席に座る。さぞかし、大顰蹙を買ったことだろう。とかく、どこでも最初にムキになってぶつぶつ言っているのは私とほぼ同年代のおっさんばかりだから。
 あんまり間際に潜り込んだのでどれほどの入りだったのかよくわからなかったけれど、8割ぐらいは埋まっていたんじゃなかっただろうか。
 原作はJohn Godeyでハードカバーは1973年に出版されていて、ソフトカバーは翌年。そして、この映画にあわせて再版はこの5月に出版されていた。もちろん日本でも出版されている。

The Taking of Pelham One Two Three

The Taking of Pelham One Two Three

サブウェイ123 激突 (小学館文庫)

サブウェイ123 激突 (小学館文庫)

 1時間45分という上映時間は近頃の映画にあっては長い方では決してなくて、むしろ短い方じゃないかと思うくらいだけれど、実に息のつけない映画でそれこそあっという間である。とにかく近頃の映画はドッカン、バビュ〜ンばかりなので辟易するのだけれど、この映画はイメージとしてそんな雰囲気を感じさせるけれど、デンゼル・ワシントンジョン・トラボルタの脂ののりきった二人の間の駆け引きがまさに見物(みもの)である。それにしてもジョン・トラボルタは良い体しているんだなぁと恐れ入った。
 これはさすがにリメイクされているだけのことはある。New Yorkの地下鉄の運転手を「motorman」と呼ぶことを知った。
 タイトルの「Pelham One Two Three」は午後1時23分Pelham発の地下鉄という意味だった。Denzel Washingtonは「Pelham One Twenty-Three」と呼びかけている。
 彼が次期車両の機種選定のために日本に行った時に、日本のメーカーから3万6千ドルのunder the tableを受け取っていた容疑をかけられているという話はそのまま原作にあるのだろうか。日本人だったらそういう姑息な手段を使いそうだというハリウッドの、強いては米国人が、アジア太平洋戦争以降未だに日本人に対して持っているイメージというニュアンスを感じる。ちょっと待て、違う場面でpeanutを配っていたのは誰だっけ?あれは日本の代理店が要求したものなのか、それとも政治家そのものが要求したところから始まっているのだろうか。
 エンド・ロールの中に日本人と覚しき名前がふたり。
 話はころっと変わるけれど、なんで米国人は(豪州人もそうだけれど)gallonのミルクをごっそり買うのだろうか。私にはどうにも馴染めないものなぁ。
 そういえばスーパーのベルコンに乗っていた前の母娘連れ客のgallonミルクを持って前に詰め、そして仕切りのbarを置いて自分の買い物を並べ始めたらその母親が私を見ながら「こいつが触ったからこの牛乳はいらない!」といった時にはぶったまげた。あれはrasistだったのかあるいは宗教上の事情だったのか。娘が「お母さん、そういうことをいうのはもうやめて!」と叱っていたっけ。
 帰り道に最近知り合った若者(といっても私から見て、という意味だけれど)の職場に行ってみるとすぐに彼を発見。後ろから忍び寄って黙って横に立つ。きちんとご挨拶をしながら私を見た時の彼は一気に破顔一笑。脅かしてしまった。
 銀座5丁目の不二屋ビルは気がついたらDALLOYAUになっていた。店が動いたのは知っていたけれど、ここに動いていたのか!しかも店の前にペコちゃんだかポコちゃんが置いてある。どういうことかと思ったらこのビルの7-8階で期間限定のペコちゃん・ミュージアムが開設中なんだという。ただし、6日(日)で終わり。あ、しまった!写真を撮らなかった。そういえば銀座のこのあたりには森永、不二屋の今でいったらまさに「ファミリー・レストラン」があったというのにね。分厚くふくらんできれいにきつね色に焼き上がった「ホット・ケーキ」がとってもハイカラに見えたものだ。
 本当に欧州のブランド屋ばっかりになりやがって、なんにも面白くない。あんな店は一体誰が喜んでいるんだろうか。