ほぼ足りてまだ欲 その先

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すりかえ

 近頃原子力発電推進派が大手を振って歩いている雰囲気が濃厚だ。昨日も新聞の広告欄に「低炭素社会へ向けた原子力発電」核燃料サイクル・シンポジウムの告知が出ている。資源エネルギー庁の広告だ。最近の蟹瀬誠一のスタンスはなんだか鮮明じゃないなぁと思ったらこんなところに登場するような役割を果たしてきているのか。エネルギー庁が持っていこうとしている先は、なんだか蛇にかまれたからナイフで噛まれたところを大きくえぐるような話ということか。
 化石系燃料を燃やすと二酸化炭素が大気圏に充満してそのおかげで大気圏の温度が上昇して地球のバランスが壊れてしまうとこれはこれは大変だから、「一旦事故が起きたら、例えば遮蔽に亀裂が入ったら」地球規模で生物が絶えるほどの大規模なダメージを受ける可能性を誰も否定できない原子力発電に肩代わりさせるというアイディアで、これは毒をもって毒を制すの例えそのものであるわけだ。
 頭の良い、これまでに様々な苦難を乗り越えてきた、そんな人類が考えるにしては大変に安易で考えが浅くて、なんのひねりもないつまらない単純な、お粗末きわまりないアイディアの啓蒙にこんなにたくさんのお金をおかけになるのはきっと何か、誰かが儲かる仕組みがこの単純な啓蒙運動の裏にあるんだろう。原子力発電施設の建設に関しては日本の三社は大きな技術を持っていたといわれているけれど、これまでの原子力発電施設建設の低迷期にあって技術力は低下してきていて、欧州に見られる復活の兆しに対して韓国勢に横取りされてしまうという危機を感じているのがかつての通産省なのだろう。なんだか彼等のアイデンティティーを再認識するためには温暖化による地球の危機を訴えるのが絶好のポジショニングなんだということのように見えないこともない。