枝野

　枝野経産大臣が就任会見で原発について「安全性を確認しながら周辺住民に理解をいただく努力もしたうえで稼働すべき原発は再稼働する」と言明したのだそうだ。やっぱりというか、今更いうものではないけれど、枝野を起用した野田佳彦内閣は、敢然として原発利権集団保護に動き出したということだろうか。
　原子力発電というシステムは、そのプラントが「安全」ということは決してあり得ない。なにしろこのお湯沸かし機械は下でくべている燃料の滓が放射能そのもので、それを無害化する方法は未だに見つかっていない。そのままコンクリートで封印をしたり、地表から穴を掘り下げて、地球の中に封じ込めることによって解決する位しか方法がない。地震があるのでわかるように地球の表面がズルズル、ガタガタしているし、それが数十万年先までしっかりしているかどうか誰もそんなことを保証できる人間はいない。
　原子力発電は安全だと断言する文京区にある某国立大学の先生達は、一体全体なんの論拠があってこのシステムが「絶対安全」と言い張ることができるのか、あいつら本気になってバカなんだなと嘆かわしい。
　それでもこのシステムがなくならないのは、これにつながっているとお金儲けになるからである。このシステムの金儲けは究極は電力利用者から徴収する電気料金であって、これがなんでそんなに儲かるかといったら、発電システムに金をかければかかるほど、その設備投資費を前提に電気料金を設定できるという、実になんとも美味しいシステムになっているからである。
　福島県を犠牲にし、放射能汚染を拡げながら、そんなことはあたかもなかったかのように振る舞ってこの金儲けグループを守り通してきているのがこの枝野経産大臣であり、この経産相がまさに金儲けグループの管理官である。このグループの末端には警察の退職者も連なっていて退職後も雇われる口が用意されている。
　つまり、権力を握るものは金儲けを握るということである。それにしても金儲けを守るということが日本国民のみならず地球上の生物を傷つけるということであるのはわかりやすい。
　はなはだ残念ながらこの国の金儲け集団は、福島県民の皆さんをはじめ東日本の住民、日本全土の住民、全世界の住民を慮ってなぞいないということは明確だ。避難してくださいと指示を出したらその分補償費用がかかるから避難指示を出さずに放射能で汚染されるがままにしていることは明白だ。「国民の安全のため」と何かというと口にしているように見えるけれど、彼等が全くそんなことを考えてはいないのは、放射能汚染が拡がるまま、なにもしていないことからも明らかだ。