ほぼ足りてまだ欲 その先

「ほぼ足りてまだ欲」がはてなダイヤリーの廃止にともないこちらに移りました。

朝青龍

 辞めたそうだ。辞職勧告が出る前に辞めたそうだ。もちろん誰かが「こんな勧告が出るぞ、もうだめだ。その前に自分で辞めちゃえ」といったのかどうか知らないけれど、「自分で決めた」という事実を作ることができた。きっと目端の利く奴が周りにいるんだろう。プライベートのマネジャーとかいるみたいだけれど、彼が失職したことによってそうした人たちも職を失ってしまうんだろうか。
 私は彼のことはずっと前から嫌いだった。なにが嫌いだったかというと、彼にはスポーツマンシップというものが決定的に欠落していたからだ。同じような意味で亀田も大嫌いだ。真摯な態度がない。亀田はそれが「ブラフ」なんだと誤解しているようだから、始末に悪い。
 例えば朝青龍は「力が強いものは何をしてもみんなビビって云うことを聞く」と思っているだろう点が人間的にいやなのだ。昨年の5月に何人かのモンゴルから来ている若者と会った。彼等は日本に勉強をしに来ていたりする訳だからそれなりに経済的に恵まれた階層の出身だろうと思う。彼等を見ていてももちろん様々な人たちがいるように、モンゴル出身の相撲取りにも様々な人たちがいる。だからモンゴルでは酔っぱらってその辺で寝転がっている人がいたって平気なんだから、朝青龍のあの事件くらいが問題になるのはどうのこうとといっているひとたちもいたけれど、あの事件は明らかに朝青龍人間性の問題だろう。
 朝青龍の取り組みを見ていると彼は必ずといって良いほど必要以上の攻撃をする。土俵際まで持っていって横から押し出した挙げ句の果てに追いかけて突いたりする。土俵はみんなから見えるように高くなっているからもんどり打って落ちていく。あれはNFLでいうところの「unnecessary roughness」である。タックルを受けて膝を突いたあとからぶつかって行く、あるいはもうサイドラインから外に出ているのに、勢い余ってぶつかって行く、そんなのは15ヤードの罰退だ。
 彼はひょっとすると「これでもか!」と留めを刺すのが喧嘩の原則だと思っているのかも知れない。それが弱いものに有無をいわせなくさせるための常套手段なんだと確信しているのではないだろうか。なぜ、そういうものではないぞと誰も教えなかったのだろう。教えたのかも知れないけれど、聴く耳を持たなかったのか。
 白鵬の涙の意味はなんだったのだろうか。同郷出身の先輩が石持て追われるのを見た寂しさだろうか。