ほぼ足りてまだ欲 その先

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若泉敬

 昨日のこと、今更ながらNHKが総合テレビでNHKスペシャル「密使 若泉敬 沖縄返還の代償」の再放送を見た。前回の放送を見逃していてとても気になっていたので、このチャンスで見ることができてとても良かった。
 佐藤栄作の息子、佐藤信二が出てきた。そろそろ80歳に手が届きそうなはずでやっぱり相当に歳をとった感は否めない。彼が最初に参議院議員に立候補した時に全国区での獲得票分布でなんだかんだと物議を醸したことを想い出す。
 沖縄返還に関して佐藤栄作から全権を任された若泉敬モートン・H・R・ハルペリンを相手に「緊急事態に際し、事前協議をもって核兵器を再び持ち込む権利、および通過させる権利」をメモランダムにして公にしない秘密文書とした。ところが実際には米国はこれを交渉カードにして沖縄の基地使用期間を「indefinite」とすることをもくろみ、それに成功した。
 若泉は沖縄の人びとに対する自責の念にさいなまれ続けたようで、1994年に「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」を文藝春秋社から刊行するも、政府、官僚、マスコミから触れられることもなく、取り上げられることもなく、日本という国を「愚者の楽園」と表して嘆く。沖縄の国立戦没者墓苑に何度も足を運んで結果責任を侘び続けた。
 これまでしらを切り続けた自民党の歴代首相には、若泉の生涯をどう思うのか、ひとりひとりコメントをし、侘び続けなければならないと思うし、米国に対して、日本を独立国として認識し、不当な占領、不当な人権無視を侘び、改善する様要求する必要がある。これを現民主党政権に任せておくのはまったく間違っている。
 今の政治を見ていると、とられてしまった政権を取り返すために新政権を扱き下ろすことだけに熱中していて、これまでの長期自民党政権がやれなかった、あるいは意図的にやらなかったことをどの様にしたらやることができるのかを議論して欲しい。
 「みんなの党」なる自民党の別働隊にも、もちろん大きな責任があることを認識しなくてはならない。