朝日新聞は今日の第5検察審議会による「起訴議決」を受けて検察官役に指定された弁護士による小沢一郎の強制起訴について号外を出したそうだ。容疑は政治資金規正法違反(虚偽記載)罪であるけれど、問題はその中身だ。
今問題になっているのは朝日新聞に依ればこうだ。
陸山会は2004年10月、小沢氏からの借入金4億円で東京都内の土地を約3億5千万円で購入した。しかし、小沢氏は衆院議員・石川知裕被告(37)ら元秘書3人=同法違反罪で起訴=と共謀し、自身が貸し付けた4億円を、陸山会の2004年分の政治資金収支報告書に収入(借入金)として記載しなかった。さらに土地代金は2005年1月に支払ったと偽り、2004年分ではなく2005年分の収支報告書に約3億5千万円の支出と資産を記載した。(2011年1月31日14時49分)
つまり、小沢一郎の政治資金管理団体が4億円の金を借りた2004年度報告書に書かなくて、翌年にずれ込んで書いたことが違反だといわれているというのが嫌疑なのである。
間違ってはいけないのはこの「4億円」というお金を誰かを騙して入手したとか、訳のわからない支出をしていている、という話ではないのだ。金は借りたがこの土地のためのものだった。ところがこの土地は地目がのうちであったために直ぐに登記することができず、地目の変更が終えてから登記したために年度がずれたという説明がされている。
建設会社から帳面に載らない金を貰ってそのままにしたとか、新進党の資金をそのまま懐に入れたといった話を新聞、テレビがあるような、ないような雰囲気で、何も明らかにせず、ただただ「小沢と金」と繰り返すことによって、小沢一郎がとてつもなく金に汚く、金にまみれているというイメージを創り出している。
ところが昨年検察はどうしても公判を維持できるだけの証拠を集めることができずに不起訴決定をしたにもかかわらず、小沢一郎をどうしても落とし込まなくてはならない勢力がテレビ・新聞と結託していることが明白である。
しかし、本当に彼に罪がないのであれば、すべてのテレビ、すべての新聞が同じように小沢一郎の金まみれという論調をするはずがない、いくらなんでもこれだけのマスコミがそんなことができるわけがないというのが、お上至上主義に犯されてしまってここまで来てしまった、ごく普通の日本国民の姿であると断言して良いだろう。
民間のテレビと新聞はほぼ皆つながっている。読売-日テレ、TBS-毎日新聞、テレビ朝日-朝日新聞、テレビ東京-日経新聞だから8社あるのかと思ったら大間違いで、これは4社に過ぎない。そして時事、共同の通信社も含め、北海道新聞、中日-東京新聞等新聞記者クラブを閉鎖的に構成している各社が、みんなが思っている日本の信頼に足るマスコミなんだけれど、くせ者はこの記者クラブである。
ひと頃「官房機密費」が話題になった。自民党最後の官房長長官であった河村某は金庫にあった官房機密費を約3億持ち去ったままだという話である。なにゆえこの金、即ち税金は一体どこにいったのか、私たちはこれらのマスコミが明らかにしたことを読んだことがあるだろうか。何か知らされただろうか。小沢一郎の疑惑は政治家が個人の金を報告するのが一年遅れたという疑惑である。河村某は税金を持ち逃げしてそのまま黙りを決め込んでいるのである。どちらが追求されて然るべき金であるのだろうか。
なにゆえマスコミはこのように一方的な報道の仕方をするのか。いわれているのは官房機密費からマスコミに盛大に流れているということがある。これは元自民党の官房長長官であった野中務がテレビで明らかにしたことから始まった。鈴木宗男がこれに追加情報を公開した。しかし、マスコミはこれを全く無視している。
不思議なのは、小沢一郎が率いてきた民主党の現党首たる菅直人のグループはこれを良いタイミングとして小沢一郎追放に動くチャンスとして利用していることだろう。
今日の各マスコミの報道も、小沢一郎「悪者」論に終始しているように見える。私たち国民は、追求するところを間違えてはならないのだよ。