ほぼ足りてまだ欲 その先

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ムバラク後

 ついにバラク・オバマ政権から見放されてエジプトのムバラク大統領はその地位を降りた。300とも400ともいわれる犠牲者を出してエジプトの民衆革命が成功裏に終わったといわれている。日本の報道機関が殆どオンタイムで何も教えてくれなかった間、私はネットで見られるBBC、CNN、アルジャジーラの音声(なぜか私のネット環境では画像が見られなかった)を追いかけ、twitterで語られる短い情報を材料にして見つめていた。
 私は政治学者でもないし、中近東の専門家でもないから、なんにもわかりはしないけれど、エジプトという国は昔からスエズ運河を抱えていることから非常に重要な拠点なんだと耳がタコになるほど聴かされて育った。中東戦争が何度も起こったこともかすかに記憶の中にもある。この拠点は本当はどこの陣営にも偏らない中立な勢力の中にあることが好ましい。そうでないとかつてのドナウ川エルベ川に面した領地を持った各地の勢力者が勝手に通行税を取り上げるというような愚かしい事態を招かないとも限らないからでもある。
 今度のこの革命でエジプトの政治体制は果たしてどんなことになるのだろうかという点は非常に重要なことだろうと思う。これから先、中近東の各国はイランに見られるようなイスラム原理主義的な体勢へと加速度を高めていくのだろうか。それが進むとあの地域にはどんなことが起きるのだろうか。
 チュニジアに火の手が上がって、エジプトがこんなことになり、ヨルダンやシリアにも何らかの影響が及ぶ中、なんでカダフィリビアにはそんな話が出ないのだろうか。カダフィは大いに独裁的な政治を行っているというように見えるのにもかかわらず。ひょっとしたら起きているのかも知れないけれど、非常に弾圧的な粛正が秘密裏のうちに行われているのだろうか。かつて北朝鮮とも親交があったくらいだから。ひとつにはカダフィが掲げてきた「緑の革命」が表面上は非常にイスラムの考えと一致しているからなのではないだろうか。現実がどうであろうと突きいる隙を与えない理論を振りかざすというのはかなり有効だからだ。
 これで一件落着ではないことだけは確かだ。